Menu
(0)

Search

【ネタバレ】『アリー/ スター誕生』涙のシーン、実は偶然生まれていた

アリー/スター誕生
© Warner Bros. 写真:ゼータイメージ

映画『アリー/ スター誕生』では、レディー・ガガ演じるアリーによる圧巻のパフォーマンスやシンデレラ・ストーリーはもちろんのこと、彼女を見出した有名ミュージシャンのジャクソン・メインの栄光と凋落、そしてジャクソンが密かに抱える複雑な過去も大きな見どころだ。

ドラッグと酒に溺れるジャクソンを公私共に支えていたのが、義理の兄ボビー。劇中ではジャクソンとボビーの一筋縄ではいかないドラマも描かれていたが、中でも最もエモーショナルなシーンは、実は偶然生まれていたのだという。ボビーを演じた名優サム・エリオットが米Yahoo!Entertainmentに語った。

この記事には、『アリー/ スター誕生』のネタバレ内容が含まれています。

『アリー/ スター誕生』でジャクソンは、生まれ育った牧場にアリーを連れていくが、その土地は既にボビーの手によって売却されていた。怒り狂ったジャクソンはボビーを解雇、こうしてジャクソンは唯一の身寄りだった義兄を失う。

アリーの栄光を受け、次第に彼女の影の存在になっていくジャクソンは、その後再びボビーを頼る。ボビーもこれに答え、2人はもう一度兄弟の仲に戻った。

本作で最も涙を誘うシーンの1つが、ジャクソンに本心を打ち明けられたボビーが車をバックさせながら涙を浮かべる瞬間だ。

ボビーは、ジャクソンを車で郊外の邸宅まで送っていた。車中で言葉を交わした後、義弟を乗せた車はガレージ前に停車する。ジャクソンは車を降りるが、言い残したことを伝えるために再び車中に向き戻る。運転席のボビーに、「俺が崇めていたのは、父ではなく兄さんだ」と告白。ジャクソンが車のドアを閉じると、ボビーは車をバックして出そうと運転席から後ろを振り向く。その目には、涙が溜まっていた。

このシーンについて尋ねられたボビー役のサム・エリオットは、「これは出演者と監督の両方をこなしたブラッドリーの話だ」と語る。なんと車をバックさせるために振り向いたボビーの涙のショットは、ある偶然の産物だったというのだ。

「車のドアが開いて、ブラッドリーが立っていて、何か言いたげだった。私は彼が何を言うのか知らなかったんです。概要は分かっていたけど、台詞までは知らなかった。それで彼がその台詞を言ってドアを閉じる。それがあのショットの終わりでした。誰かが彼に小型のモニターを渡していて、その瞬間に彼は監督になっていた。

私はというと、まだあのシーンに入り込んだままでした。でもブラッドリーを見ると、モニターを持って(車を)周って歩いていた。そのモニターは私の後ろのカメラを映していた。だから私が後ろを振り向いたのは、ただあのショットから抜け出したかったからなんですよ。私の顔を写すというシーンではなかったんです。」

つまり、ある意味ではブラッドリーもサムも、ある程度のアドリブを行っていたと言える。サムが涙を浮かべたのは、ジャクソンの台詞を初めて聞いて、そこで瞬間的に示した反応だったのだ。カットがかかり、涙を浮かべたまま車を動かそうとしたサムだが、後ろを向いた時に後部座席のカメラがそのままサムの表情を捉えていただけだったのである。

この後、現場ではもう1テイク撮ろうということになったが、ブラッドリーが「いや、これでいこう」と提案したという。サムはこのシーンが出来上がった現場の流れが本当に愛おしかったようで、思い返して涙を浮かべながら「この作品にはこういう瞬間がたくさんありました。それはブラッドリーの場の空気感を作り上げる才能のおかげです」と称える。「彼は素晴らしい監督ですね。」

『アリー/ スター誕生』公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/starisborn/

Source:Yahoo!Entertainment

Writer

アバター画像
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly