ライトセーバーと『鬼滅の刃』の共通点とは? 『スター・ウォーズ ライトセーバー大図鑑』著者が語る執筆秘話

ファン、そして関係者をも惹きつける筆力
ダニエル・ウォーレスの文章は『スター・ウォーズ』ファンだけでなく、広く映画やアートの仕事をしている人たちも惹きつける。この筆力をどこで身につけたか、次のように答えている。
「ずっと『スター・ウォーズ』が好きでしたし、『スター・ウォーズ』とともに育ちました。『スター・ウォーズ』の世界が頭の中に入っています。ほかにもDCコミック、マーベル・コミック、『ウォークラフト』の関連書籍も書いてきました。『ファイナル・ファンタジー』シリーズ関連書籍の書き直しもしました。どれもとても楽しく仕事を進めることができました。そういったことがすべて重なって、今の僕の執筆スタイルができあがったように思います。」
精巧なイラストへのこだわり
イラストレーターのルーカス・リスコとライアン・ヴァレの仕事について、ウォーレスは次のように語る。
「僕らがめざしたのは、本物ではないかと思えてしまうライトセーバーの柄を掲載することでした。エピソード4のルークのライトセーバーの柄をはじめ、何本かは実際に映画撮影のために小道具として作られましたから、ルーカスフィルムから写真を取り寄せることで実現できました。
ですが、テレビアニメ「クローン・ウォーズ」「反乱者たち」、アクション・ゲーム『Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー』、コミック・ブックといったものにはそういった小道具は存在しませんから、イラストレーターふたりがそれを再現するのは大変でした。でも、ふたりは本物そっくりというか、思わず手に取ってみたくなるようなものを見事に描き上げました。映画には出てこないライトセーバーも精巧に再現してくれたのです。」
『ゴジラvsコング』『鬼滅の刃』について
ダニエル・ウォーレスは『ライトセーバー大図鑑』につづいて、『ゴジラvsコング アート・オブ・アルティメット・バトルロワイヤル』をリリースした(原書:The Godzilla vs. Kong: One Will Fall: The Art of the Ultimate Battle Royaleは2021年4月に発売され、翻訳版もDU BOOKSから8月に刊行予定)。この作品については、怪獣映画への愛情をにじませる。
「(『ゴジラvsコング アート・オブ・アルティメット・バトルロワイヤル』で)日米の怪獣を対決させられてとてもうれしいですし、楽しんで書き上げることができました。ゴジラとゴジラ映画が大好きですし、『パシフィック・リム:アップライジング アート&メイキング』(ホビージャパン)の時と同じように楽しく進めることができました。」
また、現在、日本のみならず、アメリカを含めて全世界の注目を集めている『鬼滅の刃』の剣についても、ライトセーバーと比較して熱く語っている。
「主人公が刀とつながり、その刀がどんな色になるか語る場面は興味深いと思います。もちろん黒になりますが、刀に持ち主の内面が投影されるのはスター・ウォーズにおけるライトセーバーと同じですね。
悪の化身シスのライトセーバーは赤です。でも、ジェダイのライトセーバーの色は異なります。青いセーバーもあれば、緑のセーバーもあるし、ジェダイの神話に詳しく記されています。ある色は防御に長けていますし、ある色は先を見越すことができるというように、光刃の色で持ち主の性格をそれとなくうかがい知ることができます。」
日本のポップ・カルチャーに強い関心があるダニエル・ウォーレス、今後も日本のファンにも訴求するような作品に期待したい。
スター・ウォーズ、アベンジャーズ、マーベル、DC関連書籍の最重要作家、ダニエル・ウォーレスの独占オンライン・インタビューは、訳者・上杉隼人氏のYouTubeチャンネルにて公開中(日本語字幕・英語スクリプトはこちらから)。
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『STAR WARS スター・ウォーズ ライトセーバー大図鑑』
書名 | STAR WARS スター・ウォーズ ライトセーバー大図鑑 |
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著者 | ダニエル・ウォーレス |
訳者 | 上杉隼人 |
出版社 | グラフィック社 |
価格 | 本体2,700円(税別) |
ページ数 | 156ページ |
判型・製本 | A4変形判/上製 |
ISBN | 978-4-7661-3516-9 |
上杉隼人
翻訳者(英日、日英)、編集者、英文ライター・インタビュアー、英語・翻訳講師。早稲田大学教育学部英語英文学科卒業、同専攻科(現在の大学院の前身)修了。『STAR WARS スター・ウォーズ ライトセーバー大図鑑』(グラフィック社)、「スター・ウォーズ」全作(エピソード1〜9)、『STAR WARS スター・ウォーズ ビジュアル事典 宇宙戦争全記録』(いずれも講談社)ほか、スター・ウォーズ関連の多数を翻訳している。訳書に『アベンジャーズ エンドゲーム』『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』(いずれも講談社)、『マーベル・シネマティック・ユニバース ヒーローたちの言葉』(KADOKAWA)、ベン・ルイス『最後のダ・ヴィンチの真実 510億円の「傑作」に群がった欲望』(集英社インターナショナル)、チャーリー&ステファニー・ウェッツェル『MARVEL 倒産から逆転No.1となった映画会社の知られざる秘密』(すばる舎)、ジョン・ル・カレ『われらが背きし者』(岩波現代文庫)など多数(70冊以上)。最新訳書は、マーク・トウェーン『ハックルベリー・フィンの冒険』(上)(下)巻(講談社青い鳥文庫)。