「誰もがスーパーマンはこうあるべきという考えを持っている」ジェームズ・ガン最大の障害は「自分自身の恐れ」 ─ 「何かを選べば誰かを失望させる」

映画監督ジェームズ・ガンにとって、新DCユニバースの映画第1弾『スーパーマン』は大きなチャレンジだった。自ら統括する新たなユニバースの皮切りを作り上げるだけでなく、誰もが知るスーパーヒーローを新たに映像化しなければならなかったのだ。
米Screen Rantのインタビューにて、ガンは本作を手がけるうえでの最大の障害は「自分自身の恐れ」だったと明かしている。
マーベル・シネマティック・ユニバースで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズを大成功に導き、DC映画では『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)とスピンオフドラマ「ピースメイカー」(2022-)が好評を博したガン。しかし一連の作品で取り上げたのは、ハーレイ・クインを除き、ほとんどが一般の知名度が低かったコミックのキャラクターだった。

ガンは映画を完成させた今、スーパーマン/クラーク・ケントという「きわめてメインストリームのキャラクターを映画にするのは本当に大変だった」と認めている。
「誰もが“スーパーマンはこうあるべき”という考えを持っています。たとえばトランクスを履くのか、それとも履かないのか──それらのすべてが誰かにとって重要である以上、僕がなにかを選択することは、すなわち誰かを失望させることでした。そのことを諦めなければいけなかった。」
現に『スーパーマン』の予告編などが公開されるたび、熱心なファンほど反応は激しかった。とりわけザック・スナイダーが創った『マン・オブ・スティール』(2013)以降のヘンリー・カヴィル版スーパーマンとは大きく方向性が異なるため、早くから少なからず批判もあったのだ。しかし、ガンは自身の決断が「誰かを失望させる」ことを重々承知していた。
「だからこそ、自分はスーパーマンのファンなのだと認識する必要がありました。“僕はスーパーマンを愛しているし、スーパーマンというキャラクターの基礎を貶めるようなことはしない”と。本当に大切なのは、己を信頼し、聞こえてくるたくさんの声を気にかけないことでした。」
かくして誕生したのは、ジェームズ・ガンの作風が存分に反映された、新しいスーパーマンの姿だ。おそらくガンは相当のプレッシャーを感じながらワールド・プレミアを迎えたのではないかと想像されるが、幸いにも批評家の評価はすこぶる高い。このスーパーマン、あなたはどう観る?
映画『スーパーマン』は2025年7月11日(金)日米同時公開。
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Source: Screen Rant