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『スーパーマン』リス救出シーン、試写の不評でカット検討「世の中にはリス嫌いがたくさんいる」「スタッフ反対押し切って戻した」

スーパーマン
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新DCユニバースの映画第1弾『スーパーマン』で、監督・脚本のジェームズ・ガンが描いたのは、スーパーマン/クラーク・ケントの善意と優しさだった。その心は人間だけでなく、地球以上の生きとし生けるものに向けられている。

劇中には、危機に瀕したメトロポリスにて、スーパーマンが人間や犬だけでなく、小さなリスをも救出している短いショットがある。ところがガンによると、この場面は映画のなかで「もっとも議論されたもののひとつ」。完成版からカットされる可能性もあったという。

ガンは米Rolling Stoneのインタビューにて、ガンは『スーパーマン』のテスト試写を鑑賞した観客のなかに“リス嫌い”がいたことを語った。

「テストで映画を観てもらったところ、リスが嫌いな観客がいて、“どうしてリスなんか助けるんだ? なぜリスのために時間を使う?”と言うんです。それで一度はカットしたんですが、“やっぱりリスが恋しい、リスを救わなければ”と思ったんです。リスを連れて飛ばなければ、彼はどこに向かうのかという現実的な問題もありました。だから、一部スタッフの反対を押し切ってリスは残したんです。」

ポッドキャスト「Happy Sad Confused」でもガンはこのことについて語っており、「(文句を言ったのは)少ない人数じゃなかった。世の中にはリス嫌いがたくさんいるんです、そんなことは知らなかった」と吐露している。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズからもわかるように、ガンは大の動物好きだ。米The New York Timesでは、「結局はリスが好きかどうかだと思う」とも割り切っている。「僕はリスが大好きだから、できることなら助けたい。僕も助けたことがあるんです。日常的に、道路にいるリスにはクラクションを鳴らしています」。

動物がらみのシーンでいえば、当初はスーパーマンの愛犬クリプトがウルトラマンにパンチされるシーンがあったものの、「試写での評判が本当に悪かった」ためにカットされている。リス救出も同じく一部の観客には評判が悪かったようだが、こちらはガンのこだわりで残されたのだ。

もっともガンは、“犬がひどい目に遭うところを描いてはいけない”と考えているわけではないようだ。クリプトが再登場する『スーパーガール(原題)』は「『スーパーマン』とはまったく違う、よりロックンロールでエッジの効いた映画」だといい、今度こそクリプトがより大きな危険にさらされる可能性を示唆している。

Source: Rolling Stone, The New York Times, Happy Sad Confused

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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