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『スター・ウォーズ』史上初起用、レズビアンの脚本家が参加の実感を語る ─ 「ロシアン・ドール」気鋭のクリエイターが登板

レスリー・ヘッドランド Leslye Headland 女性中心の『スター・ウォーズ』ドラマを手掛ける star wars
WENN.com 写真:ゼータイメージ

『スター・ウォーズ』シリーズはテレビドラマの世界でも拡大を始めている。Disney+では「マンダロリアン」(2019-)に続き、オビ=ワン・ケノービや『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)キャシアン・アンドーの前日譚ドラマが進行中。さらに、詳細不明の“女性主人公による新シリーズ”も待機しているのだ。

いま、この女性主人公のシリーズが『スター・ウォーズ』の歴史を変えようとしている。マイノリティの描写が不十分、女性のフィルムメーカーがきちんと関与できていないと批判されてきた『スター・ウォーズ』史上はじめて、企画の中心にゲイの女性が起用されたのだ。脚本・製作総指揮を務めるのはNetflixドラマ「ロシアン・ドール:謎のタイムループ」(2019)のレスリー・ヘッドランド。米Entertainment Weeklyでは、自身が初めてとなったことの実感が率直に語られている。

「その話を聞いた時はショックでした。だけど、それが事実であることも分かっています。(同性愛者の女性で)企画への参加が許される人はごくわずかで、まだまだ許されていない人はたくさんいます。だからその意味では光栄ですし、私は幸運で、すごく感謝しているんです。」

「マンダロリアン シーズン3」「アソーカ」解説

その一方、レスリーはシビアな視線を向けることも忘れていない。「自分が不利な環境で仕事をするということは、抑圧を受ける、無視されるようなコミュニティに属するということ。自分が周囲から認識されていない存在になることはとても大変なものです」。むろんこの言葉は、シリーズにとって初めての取り組みの中で、ルーカスフィルムや『スター・ウォーズ』がいかに変化するのかを問いかけるものでもあるだろう。

「ロシアン・ドール」はエミー賞で13部門にノミネート、3部門で受賞を果たした話題作。レスリーは『バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!』(2013)や『愛とセックス』(2015)も高く評価されており、今後さらなる活躍が期待されるクリエイターだ。それでもレスリーは、企画に参加することこそが一番大変だと強調する。

「一番いいのは、誰か上にいる人が自分を引き上げてくれること。私自身、本当に楽しいのは、若い女性の脚本を、若い有色人種の女性やLGBTQの作家が書いた本を読んで、“なにこれ、最高”って思えることです。その脚本を別の誰かに送って、“私は大好きなんですが、この人のこと知ってますか”みたいなことをするんです。人のためになりたいとか、私がいい人だということではなく、それで私自身も幸せになれる。」

レスリーによる『スター・ウォーズ』新作ドラマの詳細は不明。シリーズの過去作品とは異なるタイムラインで展開する物語、武術の要素を取り入れたアクション・スリラー作品だと報じられたが、真実はまだわからない。『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)でスカイウォーカー・サーガが幕を閉じた今、レスリーはシリーズにどんな新風をもたらしてくれるのか。

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Source: Entertainment Weekly

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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