【レポート】『スター・ウォーズ アイデンティティーズ』が充実した展覧会である2つの理由

シリーズ最新作にしてスカイウォーカー・サーガ完結作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の公開を控え、『スター・ウォーズ』の大規模な世界巡回展「STAR WARS™ Identities: The Exhibition」(以下、スター・ウォーズ アイデンティーズ)が日本上陸を果たした。
行ってみようかなと思っていたところ、マスター・ヨーダの「”行ってみる”のではなく、”行く”のじゃ!」という声が聞こえた気がしたので、これは行くのが筆者の定めであり、夕陽が沈むのを止められないのと同じだなと考え、行ってきた。

『スター・ウォーズ』の撮影で実際に使用された小道具や衣装ほか貴重な資料が間近で見られるとあって、少しでも『スター・ウォーズ』のファンであるならば確実に興奮できる内容だ。とは言え、『スター・ウォーズ』の展覧会はこれまでも国内外で何度か開催されている。筆者も2015年にニューヨークで開催されていたものに出かけたことがあったが、「スター・ウォーズ アイデンティティーズ」はひと味もふた味も違った、ファンとしても満足の内容だ。そのポイントは2つある。
日本初展示アイテム含む膨大な展示品
まずは圧巻の展示アイテム。この展覧会では、ルーカス・ミュージアム・オブ・ナラティブ・アート所蔵の実に200点以上の膨大なコレクションを見ることができる。中心となるのはオリジナル・トリロジー(1977-1983)とプリクエル・トリロジー(1999-2005)のものだが、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)からのアイテムもあるし、嬉しいことにアニメ『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』も。
初めて目にするアイテムもあった。『新たなる希望』(1978)カンティーナでルークに絡んでオビ・ワンに腕を切り落とされるポンダ・バーバの実物マスクもあるし、あのジャー・ジャー・ビンクスのコンセプト段階のモデルもある。ジャバ・ザ・ハットの瞳も日本初登場だ。ルーカス・ミュージアム・オブ・ナラティブ・アートでアーカイブディレクターを務めるレイラ・フランチによれば、ジャバのコスチュームはほとんどが消失しているため、この瞳は本当に貴重なものだそう。
反乱軍と帝国軍の艦隊が相まみえる展示は圧巻だ。巨大なガラスディスプレイに反乱軍のスタークルーザーや帝国軍のスター・デストロイヤーが向かい合うように配列されていて、砲撃を表現したライトと音で、その場はさながら戦場だ。周囲には反乱軍パイロット歴戦のヘルメットや、ミレニアム・ファルコン号も並んでいる。
ルークや、ハン・ソロ、レイア、チューバッカ、ランドといったオリジナル・トリロジーの英雄たちや、アナキン、オビ・ワンパドメらプリクエル・トリロジーの戦士たちの衣装も展示。目の前で見ると、やっぱり興奮せずにはいられない。キット・フィストーやプロ・クーンがいるところもポイント高し。『シスの復讐』でパルパティーンの控えの間に飾られていたレリーフなんていう、乙なアイテムも拝むことが出来た。
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