『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は『新たなる希望』の焼き直し?『プレデター:ザ・プレイ』監督が擁護

世界的に熱狂的なファンダムがある故に、新作登場のたびに議論を招く『スター・ウォーズ』。中でも、ディズニー傘下に移って初めて製作された『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)は、新シリーズを占う幕開け作として、ファンはその細部に至るまで良し悪しを語った。ここで指摘されやすい「レンズフレアの多用」「過去作の焼き直し」といった点について、『プレデター:ザ・プレイ』のダン・トラクテンバーグ監督が自論を話している。
『フォースの覚醒』で監督を手掛けたのは、同作までに『M:i:III』(2006)や『スター・トレック』(2009)など有名シリーズの新作をヒットさせながら、『SUPER8/スーパーエイト』(2011)など独自のSF作品も高く評価されていたJ・J・エイブラムスだ。
J・J監督お馴染み手法として「レンズフレア」の多用がある。映像に虹彩色の光を差し込ませる演出で、その場に魔法のような臨場感を与えるものだが、監督は様々な作品でこれを扱うため、しばしばパロディの的にされることも。『フォースの覚醒』にもJ・J印のレンズフレアが使用され、ファンの間ではちょっとした賛否を招いた。
米ポッドキャスト番組に出演したトラクテンバーグは、「マイケル・ベイ監督だって、アグレッシブな映像で批判されやすいフィルムメーカーですよね。例えば『トランスフォーマー』にもレンズフレアは多用されているのに、『マイケル・ベイのレンズフレア』と揶揄する人はいない」と擁護。なぜJ・Jだけレンズフレアが取り上げられやすいのか?という点に対して、トラクテンバーグは「ひとつ飛び出したような場所にあるから」と分析する。
「『フォースの覚醒』だってそうです。みんな『焼き直ししすぎ』と言うでしょ。もちろん全員と言うわけじゃないけど、ネットを見てるとそういう声がある。『新たなる希望』に似ているというけど、僕たちの映画(『プレデター:ザ・プレイ)も、構造的には『プレデター』に非常に似ているわけです。ライアン(・ジョンソン監督、『最後のジェダイ』)の場合は『帝国の逆襲』に似ていたわけですね。ただ、ひとつ余計なものがあった、ということなのかな。ひとつ余分についていたという感じ。だから、全てがとてもデリケートなんです」。
トラクテンバーグ監督は、『フォースの覚醒』のプロットが『新たなる希望』に似過ぎているという声に対しては、自身の『プレデター:ザ・プレイ』の例をあげながら擁護。一方で、レンズフレアについては複雑な成り立ちを持つ作品のバランスを欠いてしまう要素だと指摘している。
トラクテンバーグ監督自身が認めるように、『プレデター:ザ・プレイ』はシリーズ1作目の『プレデター』にオマージュを捧げるような内容で、プレデターとの戦闘方法や物語の展開がオリジナル作に重なるような部分も多かった。こうした参照がファンに歓迎されるのか、あるいは批判の種になるのかは、様々な要素によるものだと監督は考えているようだ。

なお、『フォースの覚醒』は『スター・ウォーズ』シリーズ全体のみならず、アメリカの興収史上1位(9億3,662万ドル)という歴史的大ヒットを記録。一方の『プレデター:ザ・プレイ』も、米Huluの初日視聴数が史上1位という快挙を成し遂げている。
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Source:Radio 1’s Screen Time