【ネタバレ】「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」第3話の某シーン、原作者が「ゲースロ」で「最も気に入らないシーン」の埋め合わせをしていた?
ドラマ「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」第3話『名を継ぐもの』に、本家「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011-2019)を彷彿とさせるシーンが登場した。どうやらこの新たなシーンは、原作者ジョージ・R・R・マーティンが「ゲースロ」史上「最も気に入らないシーン」の埋め合わせをするチャンスになったようだ。米Hollywood Reporterが伝えている。
この記事には、「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」第3話『名を継ぐもの』と「ゲーム・オブ・スローンズ」シーズン1のネタバレが含まれています。
前回の3年後を舞台とする第3話。ヴィセーリス王(パディ・コンシダイン)とアリセント王妃(エミリー・キャリー)の長男エイゴンの誕生日を祝うべく、大勢が‟王の森”に集まり狩りをする。レイニラは猟場でジェイソン・ラニスター(ジェファーソン・ホール)と出会い、王がジェイソンと自分の政略結婚を企てていることに気づく。怒って逃げ出したレイニラは、自分を追ってきたサー・クリストン・コール(ファビアン・フランケル)と森の中で過ごすことに。夜になると暗闇から猪が現れ、2人に襲い掛かる。最終的にクリストンが猪に剣を突き刺し、レイニラが短剣でとどめを刺す。
「ゲースロ」視聴者であれば、‟狩りで猪に襲われる”という展開からロバート・バラシオン(マーク・アディ)を連想するだろう。シーズン1第6話でロバート王は狩りに出かけ、第7話で猪に襲われ死んでしまう。実はこの狩りのシーンは、マーティンが「全8シーズンの内、最も気に入らないシーン」だというのだ。番組の公式本『Fire Cannot Kill a Dragon』で、マーティンは以下のように語っている。
「(ドラマでは)4人の男が槍を持って森の中を歩き、ロバートがレンリーに文句を言う。本ではロバートが狩りに出て、猪に襲われたとの報告があり、連れ戻された彼は死んでしまう。つまり、私は狩りのシーンを書いていないんです。とはいえ、王室の狩猟隊がどんなものかは分かっていました。100人は居たでしょうし、パビリオンもあったでしょう。猟師や犬もいたでしょうし、角笛も吹いていたでしょう。それが王の狩りのやり方です。3人の仲間と一緒に槍を持って森の中を歩き、猪に出会うことを期待していたわけではありません。」
ここでマーティンが語った描写は、まさに「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」第3話で描かれたヴィセーリス王の狩りそのものだ。既報によると、同シリーズのシーズン1の製作費は1話あたり2,000万ドルであり、対する「ゲースロ」シーズン1は1話あたり600万ドル。予算が3倍以上になったことで、ついにマーティンがイメージした通りの‟王の狩り”を実現できたのだろう。
ちなみにマーティンは、「ゲースロ」シーズン1第5話の馬上槍試合にも満足しておらず、「少なくとも映画『ROCK YOU!』ぐらいの規模にするべきでしたが、それすら達成できなかった」と語っている。マーティンの思い描いていた「何十人もの騎士がいて、8種類の馬上槍試合を見ることができ、華やかさと競技者の盛衰、そして平民の賭けの様子が伝わってくる」というイメージも、「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」第1話の槍試合のシーンでほぼ実現できている。
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Source:Hollywood Reporter