『T2 トレインスポッティング』の魅力─ 大人になったジャンキーたちのファッションと、最高で最低な世界観

20年前、オレたちは最低な毎日を送っていた。働きもせず、クスリ漬けの日々、遊んで逃げてただ刹那的に、壊れた青春時代を過ごしていた・・・そんな世界中でカルト的人気を誇るサブカル映画の金字塔『トレインスポッティング』が帰ってきた!

『トレインスポッティング』の続編となる映画『T2 トレインスポッティング』。監督はもちろんダニー・ボイル、ユアン・マクレガーをはじめとするメインキャストたちが再集結。『トレスポ』が公開されたのは1996年だから、21年ぶりということになる。当時レントンのようにぴちぴちのTシャツとデニムを履いて、映画館に観に行った!なんていう方も多いのではないだろうか? 

 1996年『トレスポ』のラストでは、主人公レントンが仲間たちを裏切り、大金をくすねて人生を再出発をするという”選択”をしたところで終わっていた。

そんな選択をしたレントンと愉快な(?)仲間たちがなぜまた再集結したのだろうか?なぜまた20年後に同窓会を開催するのか?今回は4月8日公開の映画『T2  トレンスポッティング』の魅力を解説していこう。 

皆さん、成長してますか? 

http://www.imdb.com/title/tt2763304/mediaviewer/rm558366976

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前作に続いて登場するのはやっぱりこの4人。ユアン・マクレガー演じる主人公、レントン。気はいいけど頭が悪すぎる、でも憎めないスパッド。イケメンモテモテだけどぶっとんでクレイジー、シック・ボーイ。キレると誰にも止められない男ベグビー。さてさて、20年前の彼らはどうしようもないジャンキーだったが、40過ぎのおじさんになった今はどうなのだろうか? 

スパッド。奥さんと子供に愛想をつかれ、また孤独なクスリ漬けの日々。シック・ボーイ。表向きはさびれたパブ経営、裏はセクシー美女ベロニカと共にゆすりの仕事。ベグビー。刑務所入り。そして大金を持って地元を出て行ったはずのレントンも、お疲れの様子でまたエディンバラへ・・・

あれ?想像以上になんも変わってない?そう、20年たっても彼らは”根がジャンキー”のままなのだ! 

前作同様、風刺たっぷりのピリッとしたジョークやしょうもなさすぎるかけあい、スパッドのアホっぽさ、ベグビーのキレ加減。昔そのまんまの彼らをスクリーンで観ることができるのだ! 

おじさんだけど、ファッションはどう? 

トレスポといえば劇中のファッションも魅力の一つだ。細い体にぴったりなTシャツ、ボロボロだけどかっこいいスキニーやスニーカー、ジャージを着こなすブリット・ポップスタイル。しかし皆が痩せていたのははるか20年前・・・ユアン・マクレガーもおじさんになってしまった。さて、『T2 トレインスポッティング』のファッションはどうだろう? 

http://www.imdb.com/title/tt2763304/mediaviewer/rm3671208448

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ご安心を!やっぱりトレスポは”おじさんながらに”かっこいい。前ほどガリガリでなくてもアディダスのジャージだってさらっと着こなしているし、懐かしのサッカーユニフォーム姿だってお披露目してくれる。フレッド・ペリーのポロシャツだってさりげなく着ている。

スパッドは彼らしいおかしな柄シャツを、シック・ボーイは胡散臭いホストのようなスーツをクールに。そしてトレスポのカラーであるオレンジ色の服もちゃんと登場する。当時のブリット・ポップスタイルと現代らしさが混じった、新たなおしゃれを見せてくれるのだ!。

http://www.imdb.com/title/tt2763304/mediaviewer/rm2019492096

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映像のヤク中っぽさは?

壁を這い回る赤ちゃん、トイレの中につっこむレントン…そんな衝撃の映像が印象的なトレスポ。今回だって思わず「うえっ」と顔をそむけたくなるような汚〜い場面もあれば、キマっている時に見える幻覚だってやっぱり描かれている。

http://www.imdb.com/title/tt2763304/mediaviewer/rm2646030592

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スコットランド、エディンバラの街並みも20年前と変わらず、どこかさびれていて街全体に生気がない。不思議と見ている私たちも彼らの世界に真っ逆さまに落ちていきそうな感覚、薄汚れているのにおしゃれなスタイリッシュな映像。

前作のシーンが何度も織り交ぜられているのもファンには嬉しいポイントだ。 「うわ、懐かし!これがまた観れるなんて!」と上がってしまうこと間違い無し。

最高(最低?)の同窓会! 

そう、ここまで書いた通り『T2 トレインスポッティング』は、前作の雰囲気そのままなのだ。まさに全てのトレスポファンにとっての、最高の同窓会ムービーなのである。 

 「あの時お前が!」と言い合う姿も、「やっぱお前ら楽しいな」とバカをやる姿も、コテコテのスコットランド訛りも、レントンもスパッドもシック・ボーイもベグビーもみんな、おじさんになったけれど20年前と変わらない。

http://www.imdb.com/title/tt2763304/mediaviewer/rm445200640

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登場人物たちが昔を思い出すたびに私たちも前作のことを思い出し、初めてトレスポを観たその当時の自分のことを思い出す。イギー・ポップではじまった瞬間から昔の悪友たちと再会し、アンダーワールドで終わる瞬間まで変わらない仲間たちとの同窓会は続くのだ。

懐かしい音楽に彩られ、レントンたちがまた人生を”選択”しようとしている・・・現代にアップデートされているものの、前作の世界観をひきついだ2時間。ぜひ前作を観直してから、劇場に足を運んでほしい! 

『トレインスポッティング』。これは決して教訓めいたことをならべる映画でもなければ、心が優しくなれるようなハートフルムービーではない。

出てくる彼らはみなどうしようもないクズだが、憎めなくて愛おしい。どん底な状況でもがき、疾走し、立ち止まり、そしてまたしょうもないことをする。でもその姿を観ているとなんだか不思議とポジティブな気分になれるのだ。「なんだ、なんか大丈夫じゃん!」と。レントンたちがドラッグで別世界へトリップしているように、私たちもトレスポというドラッグ映画によってぐっとハイになってしまう。 

 きっと「めっちゃ懐かしかったね」「みんな変わらなかったね」「あのシーンが出てきたの嬉しくてさ…」そんな会話が終わったあと止まらないはずだ。ぜひ彼らがどんな人生を送るのか、確かめてきて頂きたい。20年たっても『トレインスポッティング』は、最高にクレイジーでクールだった! 

Eyecatch Image:http://www.imdb.com/title/tt2763304/mediaviewer/rm558366976

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フリーライター(1995生まれ/マグル)

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