映画10本で監督引退のタランティーノが『スター・トレック』を諦めた理由、最終作として確信できず? ─ 「度肝を抜く内容だった」と脚本家

タランティーノはかねてより、長編映画を10本監督したら映画監督から引退する意思を表明していた。前作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は9本目。『スター・トレック』は映画監督人生最後の作品となるかもしれなかったのだ。
フィナーレを飾る映画として確信しきれなかったタランティーノは、企画から離脱することになった。「脚本は彼の机の上にまだ置かれています」と語るスミスは「ぜひ実現してほしいです」と諦めきれない様子だ。
「これまでに見たことのないようなものでした。私が書いたからという意味ではなく、タランティーノが思い描いていたものとして、史上最高の『スター・トレック』映画になっていたでしょう。ただただ度肝を抜く内容でした。」
既報によれば、タランティーノ版『スター・トレック』は「1930年代のギャング映画めいた設定」であることが判明している。タランティーノは「宇宙版パルプ・フィクション」と形容していたが、スミスも同様に「『パルプ・フィクション』的な暴力もいくつか描かれる予定でした」と話している。「すごくエッジの効いた、タランティーノ節が炸裂したものでした」。
いまや企画の実現は未知数だが、もし日の目を見ることになれば、それは現在も続く『スター・トレック』ユニバースに変革をもたらすものになっていただろう。スミスは、マーベル・シネマティック・ユニバースを引き合いに出しながら、その異色さを表現している。
「『マイティ・ソー バトルロイヤル』が物事を変えたことに近いですね。マーベルに突然違う雰囲気がもたらされた。“楽しいし、なんかこれまでとは違う”みたいな。『ガーディアンズ(・オブ・ギャラクシー)』にも似ていましたね。とにかく異なる雰囲気で。それを『スター・トレック』にももたらすことができると思いました。」
2023年3月、ついにタランティーノの映画監督10作目が発表された。タイトルは『The Movie Critic』。1970年代を舞台とした物語で、実在の映画評論家が主人公の作品になるという情報も伝えられている。
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