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『ロード・オブ・ザ・リング』イライジャ・ウッド、浪川大輔を「公認声優」に任命 ─ 『LOTR』新作、フロド再登場も示唆

東京コミコン2025 『ロード・オブ・ザ・リング』ステージ

ポップカルチャーの祭典「東京コミコン2025」は12月7日に最終日となる開催3日目を迎えた。この日のオープニングを飾るセレブステージ前半には、『ロード・オブ・ザ・リング』フロド役イライジャ・ウッド、サム役ショーン・アスティンが登場した。ゲストにはウッドの日本語吹替声優を長年務める浪川大輔も登壇した。

東京コミコン2025 『ロード・オブ・ザ・リング』ステージ

ウッドは2012年の『ホビット』以来となる来日。アスティンも数年振りの日本だと語り、前回滞在時からの不思議な縁のあるエピソードを披露した。

アスティンが前回日本を訪れた際、ジョギングをしようと皇居周りに走りに出かけたという。するとちょうど5キロのランニングイベントが開催されており、アスティンも飛び込みで参加。そのゴールラインで一緒に写真撮影をした男性が、この「東京コミコン2025」撮影会に当時の写真を持って再訪してくれたというのだ。

ここでウッドには、浪川が過去25年にわたって声優を担当していると告げられる。ウッドは驚いて立ち上がり、浪川と握手をしながら深いお辞儀。さらに、アスティンとは『グーニーズ』(1985)マイキー役吹替を担当した縁も。アスティンも喜んで浪川とハグを交わし、その声に聞き入っていた。

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浪川がウッドに、「僕が(あなたの声優を)続けてもよろしいでしょうか?」と尋ねると、ウッドは「Please!」と即答。本人公認俳優となった。

一方のアスティンは「No!」とお茶目にジョーク。自ら「どういたしまして!」と知っている日本語を発し、「自分でできるから!」と笑わせた。もちろん、「日本の皆さんと純粋に繋がっていたい。だから続けてくださいね」と加えた。

『ロード・オブ・ザ・リング』の思い出話について尋ねられると、ウッドは感慨深く話した。

「壮大なロケ地や、数百人ものエキストラが参加する撮影。それから思い出されるのは、そうですね、朝4時起きでメイク用トレーラーに入ったり、みんなが(衣装を)足に履かせてもらいながら立っていたこと、週末にはみんなでブランチに出かけたこと、あの旅を共に歩んだ、家族のようなすべての時間……そういうことが思い出されます。」

続けてアスティンは、1991年1月の初来日時のトホホなエピソードを披露。とある映画のプロモーションのため、通訳と共にテレビ番組の撮影に挑んだアスティン。質問を受けて、5分間一気にしゃべったところ、通訳は「ハイ」というだけで訳してもらえなかったことがあったという。

この前振りの後に、「さて、『ロード・オブ・ザ・リング』の思い出話をさせてもらいます。いいですか?」とステージ上の通訳に挑戦。山の頂上で泣きながらフロドを抱き、共に指輪を投げ入れたシーンの撮影が最も思い出深いと振り返った。

東京コミコン2025 『ロード・オブ・ザ・リング』ステージ

なお『ロード・オブ・ザ・リング』は、新作映画『ロード・オブ・ザ・リング:ザ・ハント・フォー・ゴラム(原題:The Lord of the Rings: The Hunt for Gollum)』が準備中。フロドも姿を見せるとされるが、「フロドが出るかは肯定も否定もできません」とウッド。「だけど、とある魔法使いが最近、ガンダルフとフロドが登場するのではと示唆していますね」と仄めかした。

同作で主体となるのはゴラムで、映画でそのモーション・キャプチャーを担当したアンディ・サーキスが監督を務める。ウッドはサーキスこそが「ゴラムを動かし、生み出し、育て上げた張本人」と称え、「彼が映画を監督して導くというのは本当に相応しいと思います」と話す。

「物語としてもとても面白いものになると思います。おそらく、彼がどのようにゴラムになったのか、どんな過去があったのか、プロローグでごく短く触れられた部分を、より深く掘り下げて描くことになるでしょう。とても楽しみです。」

東京コミコン2025 『ロード・オブ・ザ・リング』ステージ

アスティンは、2025年よりSAG-AFTRA(全米俳優映画組合)の新会長に就任。「ハリウッド映画の俳優たちに、どのような環境を創出していきたいか」と尋ねられると、「今まで受けた中で最高の質問です」と喜び、抱負を語った。

東京コミコン2025 『ロード・オブ・ザ・リング』ステージ

「俳優は安全でなくてはなりません。安全とは身体的なものに限らず、感情面や経済面の安全も意味します。だから僕は、俳優たちの安全を守り、彼らが得意とすること、つまり自分の感情を使って、みんなのために一つの世界を創り上げるという素晴らしい仕事を、存分に行ってほしい。そうした世界を届けてもらえることは本当に祝福のようなものであり、今回そのための機会と責任を与えられたことは、私にとって大きな名誉です。」

東京コミコン2025 『ロード・オブ・ザ・リング』ステージ

最後にウッド、アスティン、浪川の3名によるフォトセッションの時間になると、ウッドは脇に並ぼうとした浪川を「No! No!」と真ん中に迎え入れ、肩を抱き合いながらカメラに笑顔を見せたのだった。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者、運営代表。執筆・編集から企画制作・取材・出演まで。数多くのハリウッドスターに直接インタビューを行なっています。お問い合わせは nakataniアットriverch.jp まで。

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