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『TENET テネット』一番難しかったアクションは「まばたき」 ─ 自力で時間逆行バトル、主演俳優が苦労を語る

TENET テネット
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クリストファー・ノーラン監督最新作、『TENET テネット』で最も難しいアクションは「まばたき」だった……? 主人公の“名もなき男”を演じたジョン・デイビッド・ワシントンが、〈時間の逆行〉ならではのアクションシーンの舞台裏を語った。

世界を股にかけるスパイ映画である本作の主人公は、並外れた身体能力を有するという設定であり、演じたジョンもアメリカンフットボールの元選手という経歴の持ち主。撮影前からジョンはスタントチームとともにアクションの開発に取り組んだ。しかも驚くべきことに、本作には映像を逆再生させるのではなく、俳優が自力で動きを逆行させている場面がある。それゆえ、一番難しいアクションが「まばたき」だったのだ。

「信じられないかもしれませんが、“まばたき”が難しかった。時間が逆行している世界では、まばたきにも注文が付くんです。もちろん、パンチを食らったり避けたりする方法も知っておかなければいけません。(逆行の場合は)防御の動きが攻撃の動きになって、攻撃の動きが防御の動きになります。把握し、理解するのには時間がかかりましたね。」

Comicbook.comにてこう語ったジョンだが、“理解するのに時間がかかった”のはアクションだけではない。ノーランが〈時間の逆行〉に本気で挑んだ『TENET テネット』では、脚本の難しさも演じるためのハードルになった。その難易度たるや、キャット役のエリザベス・デビッキも「文字通り“少しずつ 少しずつ”取り組みました」と振り返っているほど。ジョンは撮影中を回想し、「だからコミュニケーションが欠かせなかったんです」と述べている。

「名もなき男として旅をする途中、この男が今どういう気持ちなのか、どういう精神状態にあるのかを、すべてのシーンで日々確かめておくことが重要でした。すごく野心的な映画で、ジャンルとしてはスパイものであり、アクションスリラーであり、人間ドラマもあり、SFの要素も入ってきます。だから、何かひとつを選ばなければいけないことも多かったんです。さもないと全部が崩れてしまう。」

ジョンは演技のため、脚本家でもあるノーランに毎日のように質問をしており、それらにノーランは丁寧に答えていたそう。「クリストファー・ノーランだけはきちんとやる方法を知っていた」という言葉からは、ジョンからノーランに対する全幅の信頼がうかがえるというものだ。

映画『TENET テネット』は2020年9月18日(金)より全国公開中。

Source: Comicbook.com

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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