『TENET テネット』世界興行収入まもなく1.5億ドル、米国&中国にて劇場公開

クリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET テネット』が、アメリカや中国などで新たに劇場公開を迎えた。本作は2020年8月26日より世界順次公開となっており、米国では初めての週末、多くの海外市場では2度目の週末となった9月4~7日の興行成績が到着している。
米Deadlineによると、『TENET テネット』は米国の2,810館で上映がスタートし、3日間のオープニング興行収入は2,020万ドルを記録。海外市場では新たに5,810万ドルを稼ぎ出し、オープニング興行収入の5,300万ドルなどを加えると、海外興収の累計は1億2,600万ドル(本記事時点)。全世界興行収入は1億4,620万ドルとなっている。
海外市場において、特に優れた週末興収記録を示したのが、中国(3,000万ドル)、イギリス(1,310万ドル)、フランス(1,070万ドル)、ドイツ(870万ドル)、韓国(820万ドル)。特にイギリスでは国内市場の70%近く、ドイツでは50%以上を占める人気ぶりをみせている。そのほか、台湾(630万ドル)、スペイン(520万ドル)、オーストラリア(452万ドル)、イタリア(450万ドル)、オランダ(410万ドル)と続く。
また、ノーラン作品を語る上で欠かせないIMAX上映については、世界43市場の1,168スクリーンにて1,110万ドルを記録し、これは週末の全世界興行収入の14.2%にあたる。また、米国内では272館で280万ドル(国内興収の14%)、中国では649スクリーンで530万ドル(国内興収の約18%)を記録。ノーラン作品の観客がIMAXでの鑑賞にこだわる傾向にあることを示しているだろう。
待望の米国公開を受けて、米ワーナー・ブラザースは「国内では『ダンケルク』などの過去作品と比較してポジティブな結果を示していますが、コロナ禍における映画の公開を分析できる文脈はありません。かつてない状況下において、コロナ以前のデータとの比較は不公平かつ無根拠なものとなるでしょう」との声明を発表した。なお、アメリカ国内の巨大市場であるロサンゼルス・ニューヨーク・サンフランシスコではいまだ上映が始まっていない。
中国においては、国内の大ヒット作『The Eight Hundred(英題)』と激しい競争を繰り広げており、3,000万ドルという数字は、事前予測よりもやや厳しい戦いを強いられていることを示すものだ。来たる9月11日(現地時間)には『ムーラン』も劇場公開されるため、今後の状況にも注視が必要だろう。ともあれワーナー・ブラザースは、アメリカを中心に『TENET テネット』の長期公開を見据えている。現時点での興収成績は、ヒットしているか・していないかという判断だけでなく、ポスト・コロナの大作映画のあり方を考えるためにも非常に重要なデータなのだ。
映画『TENET テネット』は2020年9月18日(金)全国ロードショー。
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Sources: Deadline(1, 2), IndieWire