『TENET テネット』出演者も「少しずつ」理解、完成版を観てようやく「なるほど、そういうことだったのね」

『インセプション』(2010)『インターステラー』(2014)のクリストファー・ノーラン監督最新作『TENET テネット』(2020)を鑑賞した者は、口を揃えて「難解」と言う。ひとつひとつ整理しながら物語を追いたいところだが、映画本編ではシーンを追うごとに更なるミステリーを帯び続けてグングンと進んでいく……。キャット役で出演のエリザベス・デビッキですら、撮影中に全体像の理解までは追いつかなかったというのだ。

時間の逆行、過去と未来のせめぎあい…“ひねり”の効いた物語に、デビッキは出演者としてどう取り組んだか?米Comicbook.comのインタビューに登場したデビッキは「それは全て脚本にありました」と答え、その脚本を「クリストファー・ノーランの脳内の設計図のようなもの。これまで読んだ中でも、最も激しく、複雑で、魅力的な脚本です」と表現した。
「私にとって今作の製作は、ホント正直に言いますと、文字通り“少しずつ 少しずつ”取り組みました。1分ごと進める時もありましたね。カメラが周る前に自分のバミリ(立ち位置)からクリス(ノーラン監督)のところに駆けていって、“どっちの方向ですか?”って聞くこともありました。」
デビッキは「映画を通しで観た時、なんだか初めて観るみたいな、不思議な経験をしました」と続けている。「全てのピースが繋がっているのを初めて観たから、“あぁ、なるほど、そういうことだったのね!”みたいな感じ」。出演者ですらこう話すのだから、初見の観客が困惑してもおかしくはない。『TENET テネット』は、2度、3度と繰り返しても楽しめる、奥深い作品ということだ。
デビッキが演じるキャットは、ケネス・ブラナー演じるセイターの妻で絵画の鑑定士。メインキャラクターとして、物語では重要な役割を担う。
映画『TENET テネット』は公開中。IMAX®/Dolby Cinema™/4D同時公開。
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Source:Comicbook.com