『ターミネーター:ニュー・フェイト』続編は悲観的か ─ グレース役マッケンジー・デイヴィス「観客が何を求めているのか」

『ターミネーター2』(1991)の正当な続編として2019年に公開された『ターミネーター:ニュー・フェイト』には壮大な計画があった、このリスタート作を皮切りに、新たな3部作を打ち立てるというものだ。
シリーズに復帰したジェームズ・キャメロンは、『ニュー・フェイト』公開時点で既に3作目のプロットを完成させていると語っている。新たな3部作では、「人間と人工知能の関係」を描くと予告していた。
ところが『ニュー・フェイト』は、期待したほどの興行収入記録を立てることができず、1億8,500万ドルの製作費に対して最終的な米興行収入は6,200万ドルと苦戦。予定されていたであろう続編について、具体的な情報は現在までに聞こえてこない。
新たなキャラクターたちの物語はもう語られないのだろうか?グレース役を演じたマッケンジー・デイヴィスは、英NMEに「続編はあるのですか?」と尋ねられている。

マッケンジーは『ニュー・フェイト』について「大好きだし、とても誇りに思っている」としながらも、興行収入の面で「求められていなかった」と振り返る。「7作目(=『ニュー・フェイト』続編)が求められているかと言うと、それはおかしなことだと思います。観客が何を求めているかを、しっかり見極めるべき。新しいものが求められていて、私も新しいものを求めている」。
悲観的だ。「つまり続編は無いということですか」、と返されると、マッケンジーは「これまで映画を作れる機会がなかった人たち、一大シリーズを作った人たちの型にはまらない、面白い人たちがいるんです。そういう方たちに投資するべきですよね」と回答。結局続編の予定についてイエス・ノーで答えることを避けているが、続編では新潮のフィルムメーカーに目を向けるべきと言うようなコメントだ。
『ターミネーター:ニュー・フェイト』は、『デッドプール』(2016)のティム・ミラーがジェームズ・キャメロンと衝突しながらも監督を務めた。サラ・コナー役リンダ・ハミルトンが28年ぶりにカムバックを果たしながら、新ヒロインのダニーやグレースの運命と戦いを描いた。
本作の内容や評価を受け、海外メディアでは「『ターミネーター』シリーズは死んだ」「シリーズを凍結させた」との書かれ方もある。リンダ・ハミルトンの復帰など往年のファンに向けたアピールポイントもあったが、作品は成功したとは言い難い結果だ。それでは、「観客は何を求めているのか?」マッケンジーの問いかけは深い。
▼ ターミネーター:ニュー・フェイトの記事
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Source:NME,TheGuardian,THR