『ターミネーター』新作、2019年7月26日全米公開へ!『1』『2』以外は完全無視、今回のテーマは? ― リンダ・ハミルトン復帰の経緯も

映画『ターミネーター』シリーズの最新作が2019年7月26日に米国にて公開されることがわかった。パラマウント・ピクチャーズが発表したと米バラエティ誌が伝えている。
アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトン、ジェームズ・キャメロンという顔合わせが『ターミネーター2』(1991)以来に実現する本作は、メインキャストに新たな若い俳優を起用した3部作のひとつとして構想されている。『アバター』(2009)続編に着手しているキャメロンに代わり、監督は『デッドプール』(2016)のティム・ミラーが務めるほか、脚本はキャメロン&ミラーの原案をもとに脚本家チームによって執筆されているということだ。

おそらく2019年の夏休み映画として日本でも大きな話題を呼ぶであろう本作は、この顔合わせからも想像されるように『ターミネーター2』から直接繋がる作品になる。先日はシュワルツェネッガーの口から『ターミネーター 新起動/ジェニシス』(2015)の内容を無視したストーリーになることが明かされていたが、どうやら事態はそれどころではないようだ。

米ハリウッド・レポーター誌の取材に応じたキャメロン&ミラーは、最新作のシリーズにおける位置づけやそのテーマ、そしてリンダ・ハミルトンの復帰にまつわる裏話まで、現在の構想と思いをあますところなく語ってくれている。

『1』『2』以外は「悪夢だった」

あえて今『ターミネーター』の新作を作ることについて、キャメロンは「原作者のプライドがある」という。ドローンが飛び、人工知能の開発が進む現在、かつて自身が描いた物語を、よりリアリティのあるものとして甦らせることに彼は興味を抱いたというのだ。つまり新作は“現代の『ターミネーター』”、でありながら1991年の第2作から繋がったストーリーになるのである。

キャメロン: ストーリーは『ターミネーター』『ターミネーター2』から続いています。その他の映画は悪夢だったと思っていますよ。あるいは別の時間軸、マルチバース(多元宇宙)で許されたことですね。今回は誰よりも(ミラーに)よく進めてもらいました。驚きましたよ、どうなるか本当にわからないまま参加しましたから。ひとつだけ強調したいのは、(『ターミネーター』を)とにかく21世紀に合うよう刷新する、再発明するということです。

こうしたキャメロンの意向に対して、ミラー監督は、むしろ以前の『ターミネーター』が現代性を獲得しつつある状況を指摘する。

ミラー: (第1作・第2作は)製作された当時の問題よりも、現在の問題にこそ繋がっているんです。まるで多くのことが予言みたいですよ……だって(描かれていることが)私たちの暮らす今の世界で現実になろうとしているんですから。

『ターミネーター』新作のため、キャメロンは人工知能などの専門家を招きながら準備を進めているようだ。かつて『ターミネーター』が作られた当時と現在で、専門分野はどのような変遷を遂げているのか……。キャメロンによれば、ある研究者は自身の研究について「以前はとにかく楽観的だったが、今ではただ恐ろしい」と話したという。

ミラー監督は「人工知能が私たちを殺そうとするとは思わない」というが、同時に監督は、キャメロンが「現在についてポジティブで、未来についてシニカル」な人物だとも話している。その独自の目線で、キャメロンはテクノロジーにまつわる現状をこのように捉えているようだ。

キャメロン: “いずれ機械は人類に勝つでしょうか?”と言われますが、私は“空港やレストランなんかで、周りにいるどれだけの人が携帯電話を使っているか見てごらん。もう機械は勝っている”と言うんです。いろんな意味で勝っているんですよ。[中略]
ヒューマノイドロボットや、私たちに等しい汎用人工知能を本気で作り始めてから、テクノロジーは私たちの鏡になりつつあります。人工知能のトップの科学者たちは、今から10~30年でできると言いますよね。我々はそれが現実になる前に映画を作らなければならないんです。
彼らと話していると、1930~40年代の原子力科学者たちが抱いていた、高揚した楽観主義を思い出しますね。彼らはいかにして世界に電力を供給できるかと考えていた。しかしそのアイデアへの責任のなさが速やかな兵器化に繋がったんです。この星で核の力が初めて表れたのは、2つの都市、そして数百数千もの人々が消滅したことでした。だから、“今のところ起こりえない”なんてことはないんですよ。起こりうるし、起こるとさえ言えるかもしれません

しかしキャメロンは、かつて『ターミネーター』で描かれたような、“機械が脅威になる日”といったドラマティックな未来はやってこないだろうと話している。むしろあくまで地味なものとして、「突然、そうなってしまった後の世界に住むことになる」と予測するのだ。
こうした歴史や現在の認識、未来への展望が詰め込まれた『ターミネーター』の新作は、いったいどんな物語になることか……。今はまだ、その全貌は謎に包まれたままである。

リンダ・ハミルトンの復帰について

ところで『ターミネーター』新作でサラ・コナー役に復帰するリンダ・ハミルトンは、かつてキャメロンと夫婦であり、ふたりの間には娘がひとりいる。復帰交渉に臨んだキャメロンを、ミラー監督は「超びびってた」と茶化すが、実際にはそんな間柄ではないようだ。

キャメロン: 勇気を出すのに1週間かかりましたよ…いや、そんなことはなくて。リンダと私はとても良い関係なんです。どんな状況でも友人ですし、それに彼女は一番年上の娘の母親ですしね。
だから彼女に電話して、“僕らは今の状況で満足できるけど、それはある意味で敗北だと思う。数十年前にこの作品(『ターミネーター』)を作ったけど、こういうわけですごくクールなことができるんだ。戻ってきて、どんなことをやってのけたのか、みんなに見せてやれるよ”って話しました。だって私が思うに、彼女が1991年にやったことは、それ以来まったくやられていないですからね。」

映画『ターミネーター』最新作(正式タイトル不明)は2019年7月26日より米国公開予定。

Sources: http://variety.com/2017/film/news/terminator-6-release-date-linda-hamilton-arnold-schwarzenegger-1202574416/
http://www.hollywoodreporter.com/features/james-cameron-sounds-alarm-artificial-intelligence-unveils-a-terminator-21st-century-1043027

About the author

稲垣 貴俊(Takatoshi Inagaki)。THE RIVER編集部。わかりやすいことはそのままに、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすくしてお伝えできればと思っております。

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