『ターミネーター』現実に?キャメロン監督が警鐘 ─ 「AIと兵器システム組み合わせれば終末世界が到来する」「核による報復攻撃にまで及ぶかもしれない」
AIの軍事利用が進めば、映画『ターミネーター』のような世界が訪れるかもしれない──。映画監督ジェームズ・キャメロンが米Rolling Stonesにて警鐘を鳴らした。
『ターミネーター』シリーズでは、AIが暴走した未来を舞台に、人類対機械の全面戦争を描く。一方、現実世界ではAIの軍事応用において、開発と抑制のせめぎ合いが起きている。
キャメロンは、「AIを兵器システムと組み合わせた、『ターミネーター』のような終末世界が到来するという危険性はいまだにあると思う」と警告。「核兵器システムや、核防衛による報復攻撃など、そういったレベルも含めて」と予見し、次のように続けた。
「作戦展開が非常に急速で、意思決定のスパンもとても速いので、その処理には超知能が必要です。その議論の中に人間を組み込むこともできるかもしれません。しかし、人間とは過ちを犯すもので、これまでもたくさんの過ちがあり、それによって核戦争に及びかねない国際問題の瀬戸際に立たされました。だから、どうなるかわからない。」
さらにキャメロンは、「我々は人類の発展の転換点に立っている」とし、現在世界が直面する三つの脅威を挙げる。「環境問題と自然界の全体的な劣化、核兵器、そして超知能」だ。
「これらが同時に顕在化し、ピークに達している。おそらく超知能が答えなのかもしれません。私は予言をしているわけではないのでわかりませんが、そうなると思います」。
キャメロン自身は映画を通じて、この三つの問題すべてに向き合ってきた。環境問題は『アバター』シリーズで取り組んでおり、核兵器は広島・長崎の原爆投下をありのままに描く映画『ゴースト・オブ・ヒロシマ』で真正面から向き合う。超知能についてはまさに『ターミネーター』だ。
実はキャメロンは密かにシリーズ新作の脚本を自ら書き進めている。『ターミネーター2』から34年、現実のものとなったAI問題について、今のキャメロンには語るべき物語があるというわけだ。
『ターミネーター』主演で元カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガーも「数十年が経ち、それは現実のものとなった」と映画で描かれたような世界が迫りつつあることに脅威した。「もはやファンタジーでも、未来的なものでもありません。“今、ここにあるもの”です」。
一方、キャメロンはAI脅威論に傾倒しているだけではない。文章から画像への生成AIモデルを開発したStability AI社の取締役に就任しており、映画制作におけるAI活用の道を積極的に模索する。先述した『ターミネーター』新作でも、単なる「悪いロボットが暴走する」物語に留めず、AIの新たな側面に焦点を当てたいと考えているという。AIの未来をただ恐れるのではなく、その本質を物語として問い続けているのだ。
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Source:Rolling Stones

























