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『トランスフォーマー』マイケル・ベイ監督、アドリブ演技への偏愛を明かす ― コメディ演出への隠れたこだわり

© 2017 Paramount Pictures. All Rights Reserved. HASBRO, TRANSFORMERS, and all related characters are trademarks of Hasbro. © 2017 Hasbro. All Rights Reserved.

昨今、ハリウッドの大作映画を手がける新鋭監督たちは、しばしば俳優の即興演技を積極的に取り入れる傾向にある
『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)のタイカ・ワイティティは全編の80%を即興演技で構築し、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)のアンソニー&ジョー・ルッソは、キャラクターの魅力を引き出すため俳優同士の即興のコラボレーションを大切にしたという。『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018)を手がける予定だったフィル・ロード&クリス・ミラーは、即興演技を大胆に取り入れる方法論でルーカスフィルムと対立し、プロジェクトを降板するはめになってしまった。

しかし映画界には、思わぬ“即興好き”のベテランがいた。『トランスフォーマー』シリーズを手がけた“ハリウッドの破壊王”マイケル・ベイである。

U.S. Air Force Photo/Tech. Sgt. Larry A. Simmons https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Michael_Bay_060530-F-4692S-004.jpg

2007年、米Collider誌のインタビューにて、ベイ監督は自身の演出スタイルについて「僕は自分の現場の助監督です」と語っていた。現場を走り回って、急いでカメラを回し、作ったセットを決してそのままにしておかない。そう、ベイ監督は爆破演出やアクションシーンの派手さで知られるものの、実はスピーディな撮影で予算を節減する名手でもあるのだ。

そんなベイ監督が、珍しく“非効率的”な一面を覗かせるのが俳優との関わりだ。その即興演技への偏愛について、彼はこう語っている。

「僕は俳優との仕事が大好き。俳優に自由にやってもらうのが、即興演技が大好きなんです。スタジオは慌てますけどね。“あんなの脚本になかった、どういうことだ、アイツは映画を台無しにしようとしてる”って。だから僕は“信じてください、面白くなるから”と言うんですよ。この映画にはトーン(作風)の課題があったので。」

撮影現場でベイ監督が即興で作ったものとして認めているのが、地球に飛来したオートボットを撮影している少年が「アルマゲドンより100倍スゴい(A hundred times cooler than Armageddon.)」と口にする場面だ。ベイ監督は、自らの代表作『アルマゲドン』(1998)をわざわざネタにするジョークを現場で追加したという。

「あの子が走ってるのが面白かったんで、“よし、こう言って”と。彼はほんとに面白いですよね、みんな笑いませんでした? そうやって、時々ジョークを足すんですよ。『ザ・ロック』(1996)のニコラス・ケイジみたいに、僕はいつも即興の上手な俳優を雇うようにしているんです。『ザ・ロック』の脚本に笑えるところは一切なかったんです、全部即興で作ったんですよ。」

実は『トランスフォーマー』の主人公サム役にシャイア・ラブーフが起用されたのも、ベイ監督がその即興演技のスキルを気に入ったことが理由の一つだったとか。しかしよくよく思い返せば、ベイ監督は『バッドボーイズ』(1996)で監督としてのキャリアをスタートさせているほか、大作アクション映画のみならず『ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金』(2013)という犯罪コメディの佳作も発表している。コメディ演出へのこだわりは、どんな作品でも変わらないということだろう。

ちなみにベイ監督の次回作は、『デッドプール』シリーズの脚本家チームとタッグを組み、主演にライアン・レイノルズを迎えたSFアクション大作『6 Undergrounds(原題)』(詳細はこちらの記事)。これまた、笑いの異種格闘技戦ともいうべき要素を含む一本となりそうだ。

映画『トランスフォーマー』シリーズのブルーレイ&DVDは現在発売中。

Source: Collider
Eyecatch Image: 『トランスフォーマー/最後の騎士王』(2017)より © 2017 Paramount Pictures. All Rights Reserved. HASBRO, TRANSFORMERS, and all related characters are trademarks of Hasbro. © 2017 Hasbro. All Rights Reserved.

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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