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破壊王マイケル・ベイが『トランスフォーマー』を撮ることを決めた理由 ― 「ファン以外に向けて作りたかった」

U.S. Air Force Photo/Tech. Sgt. Larry A. Simmons https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Michael_Bay_060530-F-4692S-004.jpg

1980年代に誕生し、長きにわたって人々に愛されてきた玩具・コミック・アニメシリーズトランスフォーマー。その初めての実写映画化に取り組んだのが、“ハリウッドの破壊王”とも称されるアクション映画の名手マイケル・ベイだ。製作総指揮を務めたスティーヴン・スピルバーグとベイ監督による映画版は、いまや全5作からなる人気シリーズとなった。

ところがベイ監督は、第1作『トランスフォーマー』(2007)を手がける以前、「トランスフォーマー」なるものにほとんど関心がなかったという。では、なぜ監督は本作の映画化に興味を示し、そしてどんなアプローチで制作に取り組んでいたのか? あえて今、2007年当時のベイ監督のインタビューを振り返ってみることにしよう。

『トランスフォーマー/最後の騎士王』(2017)より、マイケル・ベイ監督(左) © 2017 Paramount Pictures. All Rights Reserved. HASBRO, TRANSFORMERS, and all related characters are trademarks of Hasbro. © 2017 Hasbro. All Rights Reserved.

「ファンではない人々のために作りたかった」

2007年、米Collider誌のインタビューに応じたマイケル・ベイ監督は、「この映画に契約するまで、僕はトランスフォーマーのファンじゃなかったんですよ」と打ち明けている。いわく「僕はオプティマス・プライムより女の子に夢中だったんで」
そんな監督が映画版を引き受けるきっかけとなったのは、米国で「トランスフォーマー」の権利を有するハズブロを訪れたことだったという。

「“トランスフォーマー・スクール”って聞いたことあります? 僕も“そのためにハズブロに行くの?”って本気で思いましたよ。ロボットをどうやって片付けるのか、その勉強をするんだと思ってて。でも(ハズブロの)CEOと会って、トランスフォーマーの話をまるごと聞いたんです。
今までいろんなヒーロー映画のオファーをもらったんですが、そのどれにも僕は惹かれなかった。でも、その部屋にあったものはピンと来たんです。日本のアニメが大好きだから。もしもこれをすごくリアルに映画化できたら、すごく斬新で特別なものになると思いました。すぐに、世界中にたくさんいるトランスフォーマー・ファンの一人になりましたよ。」

しかしベイ監督は、映画化にあたって、いささか野心的な目標を立てていたことも明かしている。

僕はこの映画を、トランスフォーマーのファンではない人々に向けて作ろうとしました。いうなれば、ちょっとだけ大人向けに作りたかったんです。批判を受けることはわかっていましたが、このオモチャで先進的な映画を作れたら、子どもたちにどんな影響を与えることになるだろうかって。[中略]今では僕もトランスフォーマーの大ファンです。この一年半、地球上の誰よりもロボットについて考えてきたと思う。でも自分がファンではなかったからこそ、大勢の人々に届く作品にしようと強く思ったんですよ。」

こうした予想通り、ベイ監督のもとにはネガティブな反応が多数寄せられていたという。

「ネットではファンからたくさん批判されました。“マイケル・ベイ、俺の少年時代をぶち壊しやがって”とか、“マイケル・ベイはクソ。事務所に抗議する”とか。実際、前の事務所には抗議が来たんです。殺害予告には動揺しましたね。でも、ネットにいるファンの声は聞きたいと思っているんですよ。」

しかしながら、ベイ監督の取り組みが功を奏したことは、その後のシリーズの成功が証明しているだろう。映画としては時に賛否分かれる『トランスフォーマー』シリーズだが、新作を心待ちにするファンが世界中にいること、その裾野を一気に広げたことは確かなのだ。

映画『トランスフォーマー』シリーズのブルーレイ&DVDは現在発売中

Source: Collider
Eyecatch Image: U.S. Air Force Photo/Tech. Sgt. Larry A. Simmons

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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