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『トランスフォーマー/ビースト覚醒』では「あることを仕掛けた」と監督 ─ 「まさかアレをやるのか?とファンは思うだろうが、答えはイエスだ」【単独インタビュー】

『トランスフォーマー/ビースト覚醒』
©2023 PARAMOUNT PICTURES. HASBRO, TRANSFORMERS AND ALL RELATED CHARACTERS ARE TRADEMARKS OF HASBRO.©2023 HASBRO

──2019年に、シリーズ前作『バンブルビー』監督のトラヴィス・ナイトにインタビューした際、マイケル・ベイから「映画を守れ」というアドバイスをもらったという話を伺いました。色々な人がやってきて製作に意見をしていくけど、結局その映画を守るのは自分なんだという話です。本作の撮影にはマイケル・ベイも一部参加していたようですが、彼から何かアドバイスはもらいましたか?

マイケル・ベイはかなり技術系の方ですね。初めてお会いした時には、『バッドボーイズ』を観て僕の人生が変わりましたと伝えました。黒人が主役のアクション映画もできるんだということで、あの映画がキッカケで僕はビデオカメラで『バッドボーイズ』の自分バージョンを撮り始めたんです。それが僕の原点なんですよ。

だから彼がペルーの撮影に来てくれた時には、アドバイスを求めました。どうやって撮ればいいか、雨の中の撮影のコツとか、巨大なロボットとのシーンではどういう機材を使ったのかとか、どんな問題を経験したか、どのレンズを使えば人間がより小さく見えるかとか、とにかくそういう技術的なことについて、ものすごく役立つ指導をしてもらいました。

ロボットについては、作るときにしっかり時間をかけろと教えてもらいました。彼は『トランスフォーマー』映画についてかなりのことを学んでいる方です。本作は登場するロボットの数がすごく多いので、「やたらめったら出しすぎるな」「適切な登場時間と、適切なストーリーラインを与えろ」と教えてもらいました。すごく協力的でしたよ。視覚効果の要素も大きいですし、大いに頼らせていただきました。

『トランスフォーマー/ビースト覚醒』
©2023 PARAMOUNT PICTURES. HASBRO, TRANSFORMERS AND ALL RELATED CHARACTERS ARE TRADEMARKS OF HASBRO.©2023 HASBRO

──先日、シリーズのプロデューサーであるロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラさんとお話しさせていただいたとき、本作では「オプティマスプライムに初めて真のストーリーアークが与えられる」とおっしゃっていました。本作ではオートボットのドラマと、人間のドラマ、そしてマキシマルの紹介もしなくてはいけなかったと思います。この類の作品では、よくドラマ部分とアクションの配分のあり方について議論されますね。

確かに、それぞれの個性のバランスをとりながら、彼らをどのタイミングで登場させるかには注意を払いました。中でも特に気を使ったのは、キャラクター間の対立と摩擦を描けば、うまく行き着く先を見出せるということ。もしも全キャラクターがもともと同じチームにいたら、話の盛り上がりが作れませんから。

本作のストーリー設計に取り掛かってすぐ、僕はオートボットとマキシマルがすぐに協力関係にならなくても良いだろうと考えました。次第にお互いのことを知っていく展開にすることで、みんなも全キャラクターのことを知っていく流れにしたかったんです。彼らの性格が噛み合っていく流れを見せた方が面白い。これぞオートボットの合言葉、「宇宙を一つに(Til All Are One)」ですよ。最初はバラバラでも、次第に一つになっていくんです。それが本作の基礎ですね。

彼らには色々な派閥があって、それぞれが対立しているわけですが、製作が進むにつれて、どこに時間を割くべきか、誰に尺を割くべきで、誰に割くべきではないかや、どのキャラクターに喋らせるべきかを見つけていきました。それぞれのキャラクターに独自の視点を与えてやれば、退屈することはありません。常に緊張感があって、少しずつ新たなことが明かされていきます。

ヘヴィになりすぎないように気をつけました。本作は3時間映画ではありません(笑)。ひとつひとつの要素にきちんと集中しつつ、細かいところに面白い要素を忍ばせています。ファンが見れば「もしかして、アレをやるのか?」と気付かれると思いますが、僕の答えはイエス。実は、本作ではとある事を仕掛けています。全てをこの一作に詰め込もうとしているわけではなく、その種まきをしています。

『トランスフォーマー/ビースト覚醒』
©2023 PARAMOUNT PICTURES. HASBRO, TRANSFORMERS AND ALL RELATED CHARACTERS ARE TRADEMARKS OF HASBRO.©2023 HASBRO

──ロレンツォさんによれば、本作の評判次第では、マキシマルが登場する更なる続編の可能性があるということです。今後も監督として続投したいですか?

もちろんです!でも、それはみなさん次第かな!(笑)実現すれば、是非とも続投したいです。繰り返しになりますが、本作では色々なことをセットアップしていますから、このシリーズがどうなっていくかを見届けたい。オートボットやディセプティコンとはずっと一緒だったし、彼らの派閥もたくさんあるから、このユニバースはもっと掘り下げられるんです。僕のアプローチをファンに気に入ってもらえたら、ありがたく続投させていただきたいですね。

──ありがとうございました!『クリード 炎の宿敵』もすごく良かったので、あなたのことを100%信頼していますよ(笑)。『ビースト覚醒』、きっと日本でも大ヒットすると思います!

うわー、嬉しいです!(笑)ありがとうブラザー、それ毎日言ってください!(笑)

トランスフォーマー/ビースト覚醒
©2023 PARAMOUNT PICTURES. HASBRO, TRANSFORMERS AND ALL RELATED CHARACTERS ARE TRADEMARKS OF HASBRO.©2023 HASBRO

『トランスフォーマー/ビースト覚醒』は2023年8月4日、日本公開。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。