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『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』なぜ『新たなる希望』を踏襲したのか ─ ルーク、レイア、ハン・ソロの出番が少ない理由とは

スター・ウォーズ
©Twentieth Century-Fox Film Corporation Photographer: John Jay 写真:ゼータ イメージ

スター・ウォーズ』シリーズを現代の物語として甦らせた、新3部作の第1作スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015)は、世界的に大きな歓迎を受けながらも、シリーズを愛するファンからは賛否の分かれるところもあった一本だった。公開当時から批判の材料となっていたのは、「なぜ、これほど『新たなる希望』に似ているのか」ということ。すべての始まりとなった『エピソード4/新たなる希望』(1977)をはじめ、オリジナル3部作を明らかに踏襲する仕上がりとなっていたのだ。

脚本・監督のJ・J・エイブラムスは、このたび米Rolling Stoneにて、「オリジナル3部作と似すぎている」との批判に正面から回答している。J・Jの狙いとは、いったいなんだったのか。

「実在する歴史としてとらえたい」

『フォースの覚醒』とオリジナル3部作の類似点に関する指摘や批判の数々を、J・Jは「きちんと受け止めています」と述べている。「みなさんのご意見はしっかり聞いていますし、批評には敬意を払います」。ただしその一方で、「過去を懐かしむ作品ではありません」として、自身の狙いをはっきりと明らかにもした。

「作品の狙いは、(『スター・ウォーズ』の)物語を継続し、ルーク・スカイウォーカーのことを神話だと思っている若い女性(=レイ)で始め直すことにありました。歴史をただ繰り返すのではなく、私たちの知る映画を、あの銀河系に実在する歴史としてとらえる物語を描きたかったんです。つまり、彼らはまだ善と悪が対立している場所に生きていて、過去に起きたことの影響下で暮らしていて、父親や先人たちの罪と向き合っているんです。[中略]僕にとっては、“私たちの知っている『スター・ウォーズ』に戻りましょう、そうすれば新しい物語を描ける”と言うような作品でした。」

すなわちJ・Jは、オリジナル3部作や、あるいはプリクエル3部作の物語を、“遠い昔、はるかかなたの銀河系で”起こった出来事の歴史として扱ったのだ。レイやフィン、ポー・ダメロンら新3部作の主要人物はみな若いが、その延長線上に生きている。そのことを示すために、ただ新たな物語を描くのではなく、あえて歴史を反復することにしたわけである。

一方で、J・Jは『スター・ウォーズ』の顔であるルーク・スカイウォーカー、レイア・オーガナハン・ソロをあえて中心には置かなかった。彼らはきちんと存在感をもって登場するが、新3部作は懐かしのヒーローたちを物語の主人公として扱うものではない。しかし描こうとすれば、思い切って物語の主軸に据えることもできたのではないか。この問いかけに、J・Jは「もちろん彼らの物語を描くこともできたでしょう」と応じている。「だけど彼らのことは、新しい物語をサポートする存在として扱いたかったんです」

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け
スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(C) 2019 and TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

この姿勢は、『フォースの覚醒』のハン・ソロはもちろん、ライアン・ジョンソンが脚本・監督を務めた『最後のジェダイ』のルークにも一貫している。「サポート」とは必ずしも物語上でレイたちを全面的に支援するという意味ではなく、作劇上のテーマに沿って、キャラクターの存在が新世代の物語に厚みをもたらすということだ。レイア役のキャリー・フィッシャーは2016年に急逝したため、『スカイウォーカーの夜明け』には未使用映像での登場となるが、おそらくその方針に変化はないだろう。ランド・カルリジアン役のビリー・ディー・ウィリアムズも同じような役割を担うのだろうか。

賞賛と批判が入り乱れる『スター・ウォーズ』新3部作へのリアクションについて、J・Jは「『スター・ウォーズ』ファンの素晴らしいところは、ものすごく作品を大切にするところ」だと話している。「すごくひねくれていたり、ネガティブだったりする人たちでさえ、ほとんどの場合は、過去に描かれたことを受け入れている。それが単なる議論の材料にすぎないとしてもです」。そして「新3部作の主要人物は、もちろん以前のキャラクターとの繋がりを感じています。僕が言えるのはそれだけ」と付け加えた。

映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は2019年12月20日(金)日米同時公開。

Source: Rolling Stone

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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