タイ洞窟の救出劇、映画化に向け準備中 ─ 米報道

タイ北部チェンライ県のタムルアン洞窟に2週間以上閉じ込められていた地元サッカーチームの少年とコーチの13人全員が救出された作戦について、近く映画化に向けた動きが報じられた。The Wall Street Journal、Varietyなど米主要メディアが伝えている。
映画化を進めるのは、米ビデオ・オン・デマンド・サービスのPure Flix Entertainmentの共同創業者マイケル・スコット氏。タイには過去数年間にわたって居住していたことがある。スコット氏の妻は、ボランティアとして救助に参加して亡くなった元タイ海軍のサマン・グナン氏と幼馴染の仲だったという。スコット氏は、実際に現地で救助支援も行っていた。
「こんなにも興奮したことはありません。」スコット氏は語る。「この物語を追うたびに、すごく意義深い話だと思いました。洞窟内での勇気が、全員の救助につながった。とても感動的な出来事です。映画化すれば、世界中の何万という人々を勇気付けることができるのでは。」
スコット氏らPure Flix Entertainment社は、既に役者や脚本家との交渉や投資の話し合いを進めているという。「洞窟に囚われた13人の少年たちの真の物語を世界中に伝えるべく、連絡先情報を集めているところです。」
ドキュメンタリー化、書籍化の動きも
この救出劇に着目するのは、Pure Flix Entertainment社のみではない。Deadlineのレポートによれば、ディスカバリーチャンネルで知られるDiscoveryが既にドキュメンタリー番組の制作を発注しているのだ。
出版業界でも、書籍化に向けた動きが報じられている。ただし、米Celadon Booksのジャミー・ラアブ氏はこの動きに懐疑的だ。「問題は、メディアで報じられていないドラマティックな話を書籍で描ききれるかということ。この後数ヶ月経っても、まだ人々を魅了できるのものでしょうか。」
映画俳優や監督、脚本家を数千人擁する米最大のエージェンシー、ICM Partnersのビンキー・アーバン氏も「すごい話だとは思いますが、これを300ページ読みたいかと言われれば、わからないですね」と語る。「どちらかと言うと雑誌の記事のよう。そうは言っても、おそらく誰かが100万ドルの値をつけるんでしょうけど。」
Source:The Wall Street Journal ,Variety ,Deadline