Menu
(0)

Search

『ザ・バットマン』はオリジン・ストーリーにあらず、「オリジンが分かる物語」に ─ 監督「現代にこそ通じる内容」

ロバート・パティンソンがブルース・ウェイン/バットマンを演じる、DCコミックスの単独映画ザ・バットマン(原題:The Batman)』は、ヒーローの誕生を描く、いわゆる“オリジン・ストーリー”にはならない。脚本・監督を務めるマット・リーヴスが、自身のビジョンを米Nerdistにて語った。

『クローバーフィールド/HAKAISHA』(2008)『猿の惑星:聖戦記』(2017)などで知られるリーヴスは、本作を従来のバットマン映画とは異なり、コミックの原点に回帰する、若き日のブルース・ウェインの“探偵物語”にするという。一部報道によれば、バットマンの活動2年目、すなわち「イヤー・ツー」を描くとも伝えられているのだ。

今回、リーヴス監督は「まだ完全にできあがっていないバットマン像を描きたいと思った」と述べている。「ああいう男が今、この世界にいたらどうなるのかという観点もあるし、あらゆる厳しい状況に彼を置きたいと思いました。結局のところ、この主人公は、過去のトラウマに向き合うために行動するわけですから」。

『ザ・バットマン』の新たなアプローチに監督を至らしめたのは、これまで作られてきた数多のバットマン映画にほかならなかった。監督はクリストファー・ノーランによる『ダークナイト』(2008)や、ティム・バートンの『バットマン リターンズ』(1992)に賛辞を贈りながらも、「バットマン映画には素晴らしい作品がいくつもあるよな…と考えた時、その一連に加わる新作にはしたくないと思いました」と述べている。それは、ノーランやバートンが、それぞれ独自のアプローチを貫いたからだった。

オリジン・ストーリーにするのはやめようと思いましたが、彼(ブルース・ウェイン)のオリジンが──彼という人物を形成したものが──分かる物語にはしたかった。彼はとても苦しみながら、その苦しみを乗り越えようとしている。けれど、それは彼がすべてを理解するということではありません。人間の影の部分が、その人を突き動かしている。人間は影の部分と一体になれるのか、自分の気づいていない行動がどれだけあるのか、ということです。」

そもそもバットマン映画を手がけるにあたって、リーヴス監督は「僕が作りたいのは人物中心の『バットマン』だった」という。スタジオが気に入るアイデアかどうかはわからなかったが、あくまでも「興味を持ってもらえなければ、やらない。それでいいんです」。ただし監督は、その一方で「僕はひとつの方法でしか映画の作り方を理解できない。どうカメラを動かし、どう物語を語り、どう脚本を書き、どう俳優たちと話し合うのか、ということしかありません」とも述べている。逆に言えば、いつも通りのアプローチでリーヴス監督は『ザ・バットマン』に臨んでいるのだろう。

「とても心理学的でエモーショナルな要素が入った作品ですし、そういうものをゴッサムの腐敗とともに描きます。“今らしさ”を強く感じていますよ。もちろん、腐敗を描くことができない時代なんてほとんどないでしょう。だけど僕からすると、とても時代と響き合っているように思う。もしかすると、別の時代ではなく、今にこそ通じているのかもしれないと感じます。」

『ザ・バットマン』ではゾーイ・クラヴィッツがセリーナ・カイル/キャットウーマン役を、ポール・ダノがエドワード・ナッシュトン/リドラー役を、コリン・ファレルがオズ・コブルポット/ペンギン役、アンディ・サーキスがアルフレッド・ペニーワース役、ジョン・タトゥーロが暗黒街の首領カーマイン・ファルコン役を、そしてジェームズ・ゴードン刑事役をジェフリー・ライトが演じる。

映画『ザ・バットマン(原題:The Batman)』は2021年6月25日に米国公開予定。撮影は2020年1月下旬に開始され、新型コロナウイルスの影響で3月中旬から一時中断されている。

あわせて読みたい

Sources: Nerdist(1, 2

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。劇場用プログラムや各種媒体への寄稿なども喜んで承りますので、お気軽にお尋ねください。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly