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「ザ・ボーイズ」コミック原作者がドラマ脚本で唯一こだわるキャラクターとは

ザ・ボーイズ シーズン2

同名のコミックを映像化した人気ドラマ「ザ・ボーイズ」(2019-)では、原作と同じ設定もあれば全く異なる設定もある。これは、原作コミックを手掛けるガース・エニスの了承を得た上で意図的に考えられていることだ。そんな中、ショーランナーを務めるエリック・クリプキによれば、本シリーズでは原作者のエニスの意向に忠実に描かれているキャラクターがいるという。

「ザ・ボーイズ」生みの親のエニスは、DCコミックスの人気ドラマ「プリーチャー」(2016-2019)やキアヌ・リーブス主演の『コンスタンティン』(2005)のコミック原作者としても知られており、ドラマ&映画の映像化を幾度にわたって経験している人物だ。

2020年末に行われた米Consequence of Soundのインタビューに登場したクリプキは、「ザ・ボーイズ」の製作初期段階について、エニスとのエピソードを披露。当時、エニスと話し合いの場を頻繁に設けていたというクリプキは、ドラマはコミックと「違う媒体だから違う内容でなければなりません」とエニスに提案したのだという。これに、「エニスは『プリーチャー』を経験していたので、このことを分かっていた」とクリプキは振り返る。

これを踏まえた上で、クリプキは「あなたにとって大切なものを教えてください」と単刀直入にエニスに尋ねたのだそう。その返答として、エニスは「ブッチャーだけは正しくやってください」と答えたというのだ。エニスの唯一の要望を承ったクリプキは以降、「それだけはちゃんとしようと努めています」と話し、ドラマ版におけるブッチャーのキャラクター造形への意識的な取り組みを明かしている。

「私は今に至るまで彼(エニス)に全脚本を送っています。ちょうど昨日、シーズン3の最初3話の脚本を送ったところです。というのも、彼はブッチャーのセリフについて意見を出したいと思っているからなんです。私より彼のほうがブッチャーの言葉について詳しいので、そうしてくれて嬉しいです。イギリス英語のスラングにもずっと詳しいですし、何か提案してもらえるのはありがたいことです。」

クリプキの話を聞く限り、エニスはブッチャーに対する特別な思い入れを感じているのだろう。事実、エニスにとってブッチャーは「自分が生み出したキャラクターの中で1番のお気に入り」であることをクリプキは明かしている。「彼はブッチャーを大切に守っていますよ」。

その一方で、「エニスは残りのことについては、かなり前向きですね」とクリプキが話すように、ドラマ版では原作コミックとは異なる、オリジナリティ溢れるキャラクターやストーリーの設定が随所に見られる。「ザ・ボーイズ」が人気を得ているのも、コミック原作者とドラマ製作者、両者の意見がぴったり一致しているがゆえのことなのかもしれない。

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Source: Consequence of Sound

Writer

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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