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その名前を決して口にしてはいけない!不気味な超常現象ホラー映画『THE BYE BYE MAN』

本題の前に:都市伝説と映画

世の中でまことしやかに囁かれる、嘘か本当か、信じるか信じないかはアナタ次第の「都市伝説」というものがある。その種類は日本だけでも膨大な数にのぼるが、その中には、出会った人、あるいは見た人や聞いた人に災い危害を及ぼす“怪人”的な存在の話もある。たとえば都市伝説の王道とも呼ぶべき、「口裂け女」「トイレの花子さん」などはご存じの方も多いだろう。

同種の都市伝説で、ぼくが子供の頃には「赤マント」という怪人の話も語られていた。この赤マントは小学校のトイレに現れる赤いマントを纏った男だと言われていて、ぼくが小学生当時、授業中にトイレに行ったエモリくんが実際に赤マントに襲われて、学校中が騒然としたことがあった。いつまでたっても戻ってこないエモリくんの様子を見に行った女性教師が、トイレで倒れているエモリくんを発見したのだが、彼女はその数日後に学校を辞めてしまった……という謎の多い出来事だった。

こうした話には様々なバリエーションがあるが、出会った人は最悪殺されてしまう、という話も多い。また“怪人”ジャンルの都市伝説は、都市伝説大国アメリカにももちろん数多く存在している。

もっとも有名なのは「ブラッディー・メアリー」だ。これは深夜に鏡の前で呼びかけると姿を現すといわれる女性の幽霊で、一説には魔女裁判で殺されたメアリー・ワースという女性の霊だといわれる。彼女の機嫌を損ねると爪で引っかかれたり、最悪の場合は殺されてしまうのだとか。

ちなみにバーナード・ローズ監督の映画『キャンディマン』(1992年)では、このブラッディー・メアリーに酷似した都市伝説が描かれている。もっともこの映画は、製作総指揮も務めるクライヴ・バーカーの短編小説『禁じられた場所』を原作としているので、そちらがブラッディー・メアリーに紐付いているのかもしれない。本作に登場する「キャンディマン」という怪人は右手に鉤爪を装着した黒人だが、アメリカの都市伝説には、精神病院から脱走した、右手が鉤爪の殺人鬼が登場する「フック船長」という話もある。以前取り上げた「スレンダーマン」も、怪人ジャンルの都市伝説だ。

……というわけで前置きが長くなったが、今回はそんな都市伝説めいた謎の怪人をテーマとした新作を取り上げたい。2017年1月13日に米国で公開予定の、不気味な超常現象ホラー映画『The Bye Bye Man』(ザ・バイバイマン)である。

『The Bye Bye Man』

『The Bye Bye Man』は、アメリカのホラー作家ロバート・デイモン・シュネックによる『The President’s Vampire』(大統領の吸血鬼)収録の短編『The Bridge to Body Island』(ボディ・アイランドへの橋)を原作とする。監督は『最後の晩餐/平和主義者の連続殺人』や『ギャング・オブ・ホラー』で知られるアメリカの女流監督ステイシー・タイトルだ。主人公の大学生3人を演じるのは、ダグラス・スミス、ルシアン・ラヴィスカウント、クレシダ・ボナス。また、キャリー=アン・モスやフェイ・ダナウェイらも出演している。

そして、本作の主役ともいうべきバイバイマンを演じるのは、クリーチャーや怪人を演じさせたら右に出るものはいない、ギレルモ・デル・トロ監督作品にも常連のパントマイム俳優、ダグ・ジョーンズである! ジョーンズは前述の「スレンダーマン」伝説を映像化した『Marble Hornets』の劇場映画版でもスレンダーマン役の候補にあがっているという。もはや完全に怪人俳優である。

物語の舞台はアメリカのウィスコンシン州。ある3人の大学生が、大学のキャンパスから少し離れた場所にある古い屋敷に引っ越してくるのだが、ひょんなことからその屋敷に巣食う謎の存在「バイバイマン」を解き放ってしまう。バイバイマンは、その名前を知ったもの、そして口にしたものに死をもたらすという。

映画の本編は、ダグラス・スミスが演じる主人公のエリオットが、引っ越し先である屋敷の地下室から家具を引っ張り出してくるところからはじまるようなのだが、その家具の中に、ベッドの枕元に置くナイトスタンドがある。実はこのナイトスタンドこそが恐怖の入り口であり、ナイトスタンドの引き出しの内側には落書きのような文字が書かれた紙が入っていて、そこにはこう書かれているのだ。

“don’t think it, don’t say it, don’t think it…”
「それを考えてはいけない、それを言ってはいけない、それを考えてはいけない・・・」

エリオットが不可思議に思ってその紙を取り出すと、引き出しの底には”Bye Bye Man”という名前が刻まれている。そのシーンはプロモーション・クリップとして公開されているのだが、本編鑑賞時まで楽しみを取っておきたい方は、絶対に観ないでいただきたい。そんなの我慢できないよ!という方は、さっそくどうぞ。

プレミア上映会に参加できる?不気味なキャンペーン

ちなみにアメリカ国内では、本作のプロモーションとして不気味なキャンペーンが展開されているようだ。

『The Bye Bye Man』に登場するナイトスタンドと同じものが、指定されたマーケットの10店舗に置かれている。現地で実物を発見し、引き出しを開くと、キャンペーンに応募することができるのだ。抽選で1名に、ロサンゼルスで行われる『The Bye Bye Man』プレミア上映会の参加チケットがプレゼントされるという。

残念ながら、このキャンペーンは今のところアメリカ国内限定のため、当然日本には(例えば渋谷の裏路地の店なんかには)恐怖のナイトスタンドは置かれていない。けれどもしかしたら、日本公開時には同じようなキャンペーンが展開されるかもしれないし、そうなればいいなと願っている。

それでは最後に、現在公開されている『The Bye Bye Man』の予告編をご覧いただこう。もちろん、本編鑑賞時まで楽しみと、そして恐怖を取っておきたい方は、絶対に観てはいけない。それに、観るともれなく死ぬかもしれないからね(嘘)。

Eyecatch Image: http://www.findelahistoria.com/2016/04/the-bye-bye-man-trailer-con-douglas-smith-y-lucien-laviscount/

Writer

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MujinaMujina Tsukishiro

普段はあまり摂取しないコーヒーとドーナツを、無駄に欲してしまう今日この頃。You know, this is - excuse me - a damn fine cup of coffee.

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