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【ネタバレ】『クーリエ:最高機密の運び屋』ベネディクト・カンバーバッチ衝撃展開のウラ側

クーリエ:最高機密の運び屋
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この記事には、『クーリエ:最高機密の運び屋』のネタバレが含まれています。

獄中のカンバーバッチ、その痩せ姿

『クーリエ:最高機密の運び屋』では、ベネディクト・カンバーバッチが演じる平凡なセールスマン、グレヴィル・ウィンが、その目立たなさを買われ、東西を往復する極秘スパイとして抜擢される。任務は、ロシア側のオレグ・ペンコフスキーと接触し、核配備を進めるソ連から“最高機密の運び屋”として情報を持ち帰ること。ペンコフスキーと信頼関係で結ばれ、冷や汗を流しながら任務を進めたウィンだったが、映画の終盤ではソ連に捕らえられ、投獄されてしまう。

そこで観客が目にするのは、身ぐるみ剥がされ、丸坊主にされ、暗く冷たい牢獄に閉じ込められるベネディクト・カンバーバッチの姿。マーベル映画のスーパーヒーローとして堂々とした印象を持つカンバーバッチだが、獄中での劣悪な生活が半年続くと、カンバーバッチはガリガリに痩せこけた姿で登場する。眼は落ちくぼみ、頬骨も浮き上がった、見るだけで辛くなるような痩せようだ。

ウィンが痩せ細る展開を迎えるのは、映画終盤の僅かなシーンのみ。この撮影のため、ベネディクト・カンバーバッチ自身も実際に痩せたのだろうか?

ドミニク・クック監督に実際に聞いてみると、驚くべきことに答えはイエス。「影をつけるためにわずかにCGを加えてはいるものの、彼は撮影のために本当に痩せました」という。「栄養士の指導のもと、3ヶ月かけて、大変な思いをして体重を落としたんです。他のシーンでは、頬に詰め物(padding、特殊メイクの一種を指すと思われる)をしていて、実際よりも重く見せていました」。

とはいえ、3ヶ月もかけて体重を削ぎ落としていては、リカバリーの期間も考えれば他の作品にも影響が出かねない。ただでさえ多忙なカンバーバッチである。

「(痩せるという)アイデアを彼に話したのは撮影開始よりもずっと前のことでした。撮影がどれだけ続くかによっては、彼の他の作品の撮影にも影響が出てしまうので様々な検討をしました」と、クック監督は話してくれた。「しかし、彼ならやってくれると思っていました。演じる役のためなら、どんなことでも恐れ知らずで挑む方です。そして、彼は本当にやってのけたんです」。

これを聞いて筆者は「やはり彼は素晴らしい方なのですね。文句や泣き言ひとつ言わず挑んだのでしょう」と尋ねてみると、監督は「そうなんです。むしろ私は罪悪感を感じていました」と深くうなずいた。

「現場にやってきた彼が、本当にやせ細っていて、心配になってしまうほどだったんです……。それでも、文句一つ言わずにやってくれました。素晴らしい、素晴らしい人です。やると決めたらやる、という方です。」

減量のプロセスについて、カンバーバッチ自身はこう語っている。「すべてが健康的な方法で行われました。萎縮や無気力ではなく、すべてを削ぎ落として体を筋肉で縮めようとしました」「筋肉を削らなければならない状態の時もあり、それはとても嫌な経験でした。意識が混濁し、脱水症状を起こし、常に空腹を感じる。感情的にも肉体的にも非常に傷つきやすくなる」。「10キロの減量へと至るすべてのプロセスが、収容所での日々を何年も何カ月も耐えてきたであろうグレヴィル・ウィンのキャラクター作りにおいて非常に役立ちました」。

ウィンが投獄される場面では、カンバーバッチが看守によって頭を丸刈りにされている。もちろんこのシーンの撮影でも、カンバーバッチはカメラの前で本当に頭を刈られている。「一回しか撮れないから、絶対に失敗できなくて」と、監督は笑う。撮影前には、刃のついていないカミソリで練習を重ねたそうだ。

バレエ鑑賞シーン、なぜ『白鳥の湖』?

ちなみに、劇中の描写に関する話題をもうひとつ。『クーリエ』では、ソ連を訪れたグレヴィル・ウィンが、オレグ・ペンコフスキーに招かれてボリジョイ・バレエ鑑賞に出かける場面がふたつある。監督に聞くところによると、史実でもウィンとペンコフスキーはバレエ鑑賞を共にしていたのだという。

「特に当時、ロシアのボリショイ・バレエは世界最高峰で、グレヴィルも初めてロシアに行った時に接待されて鑑賞しているんです。もともと序盤で一度訪れるだけだったのですが、編集の段階になって2回に分けて、映画の終盤にも挿入しました。2回目のほうでは、より感情がむき出しになっています。これを序盤に入れるには早すぎるように思ったからです。」

本作で2人が感激しながら鑑賞していたのは『白鳥の湖』だったが、監督は「実際にどういう演目を観たのかは不明」と説明。『白鳥の湖』を選んだのは、「この映画で描かれるテーマと共鳴すると思ったから」ということだ。

映画『クーリエ:最高機密の運び屋』はTOHOシネマズ 日比谷 ほか全国公開中。

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Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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