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ゼンデイヤ&ロバート・パティンソン『ザ・ドラマ』レビュー ─ 好きな人の過去も愛せますか? 好き嫌い分かれるが、記憶に強く残る映画

https://www.youtube.com/watch?v=6zmKcUa4Xxk

(カナダ・トロントから現地レポート)『The Drama(原題)』は、ゼンデイヤとロバート・パティンソンが婚約中のカップル役で共演する、A24製作の話題作だ。北米で2026年4月3日に劇場公開を迎えると、インディ映画としては異例の注目を集めている。

監督を務めるのは、『ドリーム・シナリオ』(2023)で高評価を得たクリストファー・ボルグリ。“不快だけど目が離せない人間ドラマ”が得意なボルグリ監督が、ブラックユーモアたっぷりに親密な関係に潜む違和感を描いていく。

物語の主人公チャーリー(ロバート・パティンソン)は、アメリカに暮らすイギリス人の美術史家。カフェで出会ったエマ(ゼンデイヤ)に声をかけるが、彼女は片耳が聞こえず、最初は無視されたと勘違いしてしまう。しかし誤解は解け、ふたりは急速に距離を縮め、恋に落ちる。

やがて結婚式を目前に控えたチャーリーは、スピーチの準備に追われていた。そんな中、友人のレイチェル(アラナ・ハイム)とマイク(ママドゥ・アティエ)とともにワインの試飲に参加。酒の勢いもあり、「これまでで最悪の行い」を告白し合うゲームが始まる。その場でエマが明かした“ある過去”が、場の空気を一変させる。

一度知ってしまった事実は、なかったことにはできない。順調だったはずの関係に疑念が生まれ、チャーリーの不安は次第に膨れ上がっていく……。

恋愛映画と思いきや、風刺やスリラーの要素も含み、何層にもなった構造を持つ本作。特にエマの過去に関する描写はセンシティブで、「倫理的に問題ではないか」「扱いが軽いのでは」といった議論も巻き起こしている。

映画批評サイトRotten Tomatoesでは批評家スコア75%(2026年4月7日時点)を記録。「大胆で知的」「ここ数年で最も挑発的な作品のひとつ」といった評価も寄せられており、好き嫌いが分かれることは確かだが、記憶に強く残る作品となっている。

観終えたあとに突きつけられるのは、「愛した相手を過去ごと受け入れられるのか」という問いだ。誰しもが避けて通れないテーマでありながら、正解はない。だからこそ本作は、観客にその答えを委ねる。エンドロールの最中も、この問いが頭から離れないはずだ。

なお、ゼンデイヤとパティンソンは『デューン 砂の惑星 PART3』、『オデュッセイア』でも共演。実力派俳優としても知られる二人が、本作では不安定で繊細な心理を抱えたキャラクターを見事に演じている。観る側に居心地の悪さすら感じさせるほどの生々しさで、演技力の高さを改めて見せつけた。

また本作プロモーションでは、ゼンデイヤが結婚式の伝統「Something Old, New, Borrowed, Blue(花嫁が“古いもの・新しいもの・借りたもの・青いもの”を身につけると幸運を呼ぶとされる風習)」をテーマにした衣装で登場し、作品の世界観とリンクする形で話題を集めた。

興行面でも好調で、北米オープニングは約1,400万ドルを記録(Box Office Mojo調べ)。A24作品としてヒットした『ヘレディタリー/継承』のオープニング(約1,300万ドル)を上回り、インディ作品としては好スタートを切っている。またIndieWireは、ゼンデイヤについて「インディ映画でも観客を動員できるスター」と報じた。

“過去”という避けて通れないテーマに踏み込んだ本作は、カップルで観るには少し覚悟が必要な一本かもしれない。だが同時に、関係を見つめ直すきっかけにもなり得る、刺激的な作品でもある。

『The Drama』、日本公開情報は今のところ未達。前述したとおり、今後は『デューン 砂の惑星 PART3』(2026年12月18日(金)日米同時公開)、『オデュッセイア』(2026年公開)といった話題作も控えており、ゼンデイヤとロバート・パティンソンのさらなる活躍から目が離せない。

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    Source:Box Office Mojo

    Writer

    Ayaka SaitoAyaka Saito

    カナダ・トロント在住の映画レポーター/コラムニスト。北米で感じ取れる「ポップカルチャーへの熱」をお届けします。好きなジャンル:ホラー、好きなヒーロー:DCブルービートル。

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