陰鬱な闇の中で育まれた、不気味に切ない愛と友情の物語『The Eyes of My Mother 』(アイズ・オブ・マイ・マザー)

先日、米国で行われたファンタスティック映画祭、その上映作品の中から実に個人的な趣味により気にかかった映画を、今回から一作品ずつピックアップして、ご紹介してみようと思う。ちなみに、もしかしたらこの一回で終わるかもしれないし、延々と続くかもしれないが、それは神のみぞ知る。
先に述べておくが、ぼく自身がこの映画祭に赴いて、その上映作品のほぼすべてを余すところなく鑑賞したわけではないので、あくまで予告編を観ての、気になっちゃった映画ということなので、あしからず。
さて、ちなみにこのファンタスティック映画祭について概要を少しだけ。
ファンタスティック映画祭とは、2005年に設立されて以来、2016年の今回で12回目を迎える、米国最大のジャンル映画祭である。世界中の様々なホラー、ファンタジー、SF、アクションなどを寄せ集めて、8日間にわたって上映しちゃうぜ!というものである。つまり簡潔に言うと、ファンタスティックな映画製作と普及を推進する、映画祭なのである。大きな映画祭はたいていの場合、その開催地の地名を冠することが多いのだが、このファンタスティック映画祭の毎年恒例の開催場所は、テキサス州オースティンにある「Alamo Drafthouse Cinema」(アラモ・ドラフトハウス・シネマ)となっている。
“The most important film festival in North America” – Texas Monthly
「北米で最も重要な映画祭!」- テキサス月刊
今回ご紹介するのは、9月24土曜日と9月29日の映画祭最終日(木曜日)に上映された、『The Eyes of My Mother』(アイズ・オブ・マイ・マザー)である。

その他にも連続殺人犯チャーリー役で、TVドラマシリーズ『GOTHAM/ゴッサム』(Gotham)のアーノルド・ドブキンス(Arnold Dobkins)を演じていたウィル・ブリル(Will Brill)や、ギレルモ・デル・トロの『パシフィック・リム』(Pacific Rim)にノンクレジットで出演していたクララ・ウォン(Clara Wong)がキミコという何やら日本人らしき役で出演している。
それでは、心の準備がよろしければ、予告編をご覧いただこう。
いかがであろうか、白と黒に沈み込む、フランシスカの小さな世界の光と闇、中盤から流れる音楽に怪しげな切なさを感じつつも、それとは裏腹に増長してゆく不気味で恐ろしいヴィジョン、気になるでしょ、この映画。
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