Menu
(0)

Search

【更新】『ザ・フラッシュ』製作費、実際はDC最高額だった ─ 報道額を大幅超過、赤字回避できず

ザ・フラッシュ
(c)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved (c) & TM DC

2023年8月24日追記:情報元であるThe Hollywood Reporterに訂正がなされました。当初、The Hollywood Repoterは映画『ザ・フラッシュ』の製作費について300万ドルと伝えており、本記事はこれに基づき執筆されました。その後、The Hollywood Reporterが正しくは200万ドルであったと情報を更新いたしました。以下は本記事初出時の内容となることをご了承ください。


DC映画『ザ・フラッシュ』の製作費が、実際には以前報道された金額を大幅に超過していたことがわかった。米The Hollywood Reporterが報じている。

『ザ・フラッシュ』はマルチバースをコンセプトとした、DCユニバースの転換点となる重要作。エズラ・ミラー演じるフラッシュのほか、マイケル・キートンとベン・アフレックがそれぞれ演じるバットマン、初登場のスーパーガールなどの共演が話題を呼んだ。

2023年6月の公開時、本作の製作費は2億~2億2,000万ドルと報じられていたが、どうやら現実にはこれ以上のコストがかかっていたようだ。新たな報道によると、『ザ・フラッシュ』の実際の製作費は3億ドル。これは『ジャスティス・リーグ』(2007)に並び、DCユニバース史上最高額だ。

もっとも『ザ・フラッシュ』は、興行的に成功したとは言いがたい作品だった。米国興行収入が1億813万ドル、海外興収は1億6,040万ドルで、世界累計興収は2億6,855万ドルだから、劇場興行では製作費さえ回収できなかったことになる。また言わずもがな、本作のようなハリウッド大作には1億ドル規模の宣伝・広報費が投じられる。このことを踏まえれば、本作がかなりの赤字となっていたことは疑うべくもないだろう。

DCユニバース作品としては、ドウェイン・ジョンソン主演『ブラックアダム』(2022)が、当初の製作費1億9,000万ドルを大幅に超過し、2億6,000万ドルまで膨らんでいたことが報じられたのも記憶に新しい。同作も大幅な再撮影がコスト肥大の原因とされたが、『ザ・フラッシュ』でも少なからぬ再撮影が実施されていたことがわかっている。

現在、DCユニバースはジェームズ・ガン&ピーター・サフラン率いる新体制のもとで全面刷新が図られている。『ザ・フラッシュ』の続編や、エズラ・ミラー演じるフラッシュ/バリー・アレンの今後は不明だが、コストの問題がスタジオの判断に影響を与える可能性もあるだろう。

Source: The Hollywood Reporter

Writer

アバター画像
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly