『ソー:ラグナロク』は「ソー史上最高に笑える」作品に ─ 『暇を持て余したソー』路線、不安の声も

一部のファンにとっては嬉しいが、一部のファンにとっては残念なお知らせかもしれない。
2017年11月3日に公開予定、『アベンジャーズ』ソーの単作第三弾『ソー:ラグナロク』。監督は、笑いのユーモア溢れるフェイク・ドキュメンタリー『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』で知られるタイカ・ワイティティ監督だ。
『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』や、マーベルから公式に公開されたショートムービー”Team Thor”(我々は『暇を持て余したソー』シリーズと呼んでいる)の方向性から見るに、『ソー:ラグナロク』はコメディ要素が強まるのではないかと見られていた。ソーの義弟、”チョロ神”ロキ役トム・ヒドルストンが語ったところによると、やはり『ラグナロク』でのソーとロキはより”面白路線”になるという。
「タイカ・ワイティティは、勇ましくもとても面白い人物です。監督とクリス(・ヘムズワース)はすぐに友達になりました。彼らの友情が花開くようだったのが、見ていて嬉しかったですね。彼らはお互いにベストを尽くし、モノ作りを始めたのです。
今自信を持って言えるのは、今回はソー史上最高に面白い内容になるということ。僕は個人的にもクリスとはほぼ10年来の付き合いだから、それも笑えるんですよね。」
トム・ヒドルストンは、”面白い”の部分を”funniest”と表現していることから、『ラグナロク』でのソーがいくらかコメディ街道をひた走ることが想像される。
ソーと言えば、2011年の単作第一弾『マイティ・ソー』でも、地球でのトンチンカンな振る舞いが笑いを誘っていたし、『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』でも、アベンジャーズの面々の中でも比較的コミック・リリーフの役回りを担っていた。『暇を持て余したソー』第一弾(Team Thor )の動画では、『シビル・ウォー』に参加していなかったのは実は「ケータイを持っていないために誘ってもらえなかった」からで、一般人ダリルの家に住み着きオーストラリアで暇を持て余していた日常が明かされ、同シリーズの続編では自ら「脳は筋肉だ!」と筋肉脳宣言をし、家賃をカボチャで支払おうとするなどの天然っぷりを遺憾なく発揮していた。
ソー役クリス・ヘムズワーズは、『ゴースト・バスターズ』ケヴィン役もあって「底抜けの爽やか筋肉脳」のようなイメージが仕上がりつつあり、この路線を愛するファンも少なくない。しかし、雷神ソーとしての威厳を愛するコミック・ファンらは、『ラグナロク』がお笑い路線に傾くことを嘆いている。
『ラグナロク』では、ソーのほかにハルクも大々的に登場し、コミックファンの間で評判の高いエピソード『プラネット・ハルク』の要素が盛り込まれる。CosmicBook Newsは、今回のトム・ヒドルストンのコメントを”Bad News”と伝え、「闘技場でのハルクとの共闘の最中、ソーにはジョークを言わないで欲しい…歌と踊りなんて絶対イヤだ」と願っている。
2016年7月、『ソー:ラグナロク』はロゴマークを一新、レトロゲーム調のデザインとなったが、これを象徴するようにワイティティ監督は同作が「70?80年代のSFファンタジー」になることを明かしている。「SFファンタジー」と「SFアクション」は大きく異なるので、ソーのカッコよくてダイナミックなキャラクター性を期待していたファンは不安がっているというわけだ。
マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギは、『マーベル作品には必ず笑いのシーンを入れる』というポリシーを明かしており、劇中随所に箸休め的に散りばめられたギャグ・シーンは過去のマーベル映画でも光っていた。コメディ路線を強めたマーベル映画では『アントマン』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が筆頭に挙げられるが、果たして『ソー:ラグナロク』は「マーベル史上最も笑える!」みたいな作品になるのだろうか。思えば、『暇を持て余したソー』シリーズはその方向性の是非を確かめるためのマーケティング・リサーチ活動であったのかもしれない。
映画『ソー:ラグナロク』は、2017年11月3日に全米公開予定。ちなみにロキ役トム・ヒドルストンは、『キングコング:髑髏島の巨神』のプロモーションで、2017年3月14日、15日に初来日が決定している。
Source:https://www.cosmicbooknews.com/content/bad-news-thor-funniest-thor-ragnarok
“Thor: Raganarok”: c 2017 Marvel