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『キングスマン:ファースト・エージェント』誕生のきっかけは『007』ショーン・コネリー主演のアノ映画だった

キングスマン:ファースト・エージェント
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第一次世界大戦期を舞台に、独立スパイ組織“キングスマン”のオリジンに迫る映画『キングスマン:ファースト・エージェント』には、製作のきっかけを生み出した作品があった。『007』初代ジェームズ・ボンド俳優のショーン・コネリーと『キングスマン』(2015)にも出演した名優マイケル・ケインがW主演を務めたスペクタクル・アドベンチャー映画『王になろうとした男』(1975)である。

本作はタイトルの通り、王になろうとするイギリスの男2人の冒険物語。19世紀後半、富を求めてインドの秘境を目指すピーチー・カナハン(ケイン)とダニエル・ドラボット(コネリー)は、道中で様々な困難に直面するが、いざ目的地へ着くや現地住民から王様として崇められていく。

『マルタの鷹』(1941)や『許されざる者』(1960)、『007 カジノロワイヤル』(1967)などで知られるジョン・ヒューストン監督がメガホンを撮ったことでも知られる『王になろうとした男』だが、どうして『キングスマン:ファースト・エージェント』誕生のきっかけとなったのか。

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全ては『王になろうとした男』を観返した時に始まりました」とは、マシュー・ヴォーン監督の談。米/Filmとのインタビューで、ヴォーン監督は着想のきっかけを明かしている。

「恋に落ちた時を思い出せてくれるようでした。(『王になろうとした男』は)昔の映画ですが、皆さんも観たほうが良いです。壮大な冒険から、信じられないほどの演技まで、全てが詰まっている映画なんです。この作品はショーン・コネリー映画のなかで最も熟練したものの一つだと思います。キングスマンのオリジナルでもあるマイケル・ケインも出演されていましたし。あの映画にはパトス、つまりは重要なメッセージやコメディ、ファンタジーが詰まっていました。ほんとに全部。

冗談交じりではありましたけど、私は“『キングスマンになろうとした男』をやるべきだ”って思ったんです。その考えは頭の中に残り続けて、そしたら次第にムズムズしてきたんですよ。その時、『キングスマン』が創設された理由や時期が明かされるエグジーとハリーのシーンを思い出しました。『キングスマン』の始まりを。

そこでヴォーン監督が目をつけたのが、第1作の劇中でも触れられていた“第一次世界大戦”であった。「第一次世界大戦について調べ始めたら、登場人物たちが思い浮かんできたんです」と監督。もっとも、学校で学ぶ教科としての“歴史”は得意ではなかったのだという。ヴォーン監督は学生時代を振り返り、「まさか歴史を扱うなんて……信じられなかった。そこまで得意な教科ではなかったですし、ああいうものには耳を傾けてすらいませんでしたから」と語る。

「でも実際にさかのぼってみると、“すごく面白いな”って思って、やらなきゃと感じたんです。そこからアイデアを整理して、僕が観て育った映画のように作るにはどうしたらいいか、それを現代のスタイルで映画にするにはどうしたらいいかと考えました。」

その“観て育った映画”の一つが、『王になろうとした男』だったのだ。奇しくも同作には、ヴォーン監督が「ものすごく影響を受けた」と公言する『007』シリーズを生み出した初代ジェームズ・ボンドのショーン・コネリーと、キングスマンのリーダーであるアーサー役を演じたマイケル・ケインが出演している。そう考えると、『キングスマン:ファースト・エージェント』は単にシリーズの前日譚であるだけでなく、ヴォーン監督のDNAが反映された作品とも捉えられるだろう。

Source: /Film,Comicbook

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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