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タランティーノ「映画評論家は世界イチつまらない職業、誰が映画評論家についての作品なんか観たがる?」幻の企画『ザ・ムービー・クリティック』頓挫の理由語る

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』ジャパンプレミア レッドカーペット
© THE RIVER

クエンティン・タランティーノが映画監督引退作として掲げていた企画『The Movie Critic(原題)』を諦めた理由を自身出演のポッドキャスト番組にて明らかにした。

『The Movie Critic』は、映画評論家を描くという企画で、シネフィルのタランティーノらしい視座が期待されていた。1977年のカリフォルニアを舞台とした、「ポルノ雑誌に映画批評をよく寄稿していた」実在の男性をモデルとする物語だ。

一時は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)でクリフ・ブース役を演じたブラッド・ピットが主演を務める話や、トム・クルーズがカメオ登場するという噂もあり、また映画ではなくテレビシリーズ化する構想もあったのだが、後にタランティーノが企画を撤収。その理由についてこの度タランティーノは、映画評論家という題材にあまり魅力を感じなくなってしまったためだと明らかにしている。

「『The Movie Critic』は、自分でもすごく気に入っています。でも難しいところもある。“世界で最も退屈な職業を、面白い映画にすることができるか?”というね。映画評論家なんぞについてのテレビ番組なんて誰も観たくないだろう?そこが試練でした。映画を“観る側”の人物についての映画やテレビドラマを面白いものにできれば、それは偉業ですよ。」

実際のところ、この仕事は想像以上に地味なのである。「執筆段階ではすごく興奮していたんだけど、プリプロダクションの段階になると、自分の書いたものをドラマ化することに正直あまり興奮しなかった」と、企画を進めるごとに色彩を欠くような感覚があったそうだ。

さらにタランティーノは、同作は「『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の精神的な続編」であったとも明言。「同じ世界、同じ町」で展開される物語となっていたことも明かした。そのために、「前作にあまりにも似ていた」、とも。

ただし、両作に物語的な共有はなかったという。「クロスオーバーするキャラクターは登場しなかった。クリフ・ブースは『The Movie Critic』には出てこなかった。そんな話は全部デタラメ。絶対にありえません」。

なおタランティーノの幻の作品といえば、ほかに『スター・トレック』映画もある。2017年に持ち上がった企画だが、のちに監督から離脱し、その後もコロナ禍の影響やスタジオの方針が重なって自然消滅していた。出演が見込まれていたサイモン・ペッグは同企画について「とんでもなくクレイジーなもの」「ファンの皆さんがどう受け止めたかはわかりませんが、間違いなく興味深いものになっていたと思います」と話している

Source:The Church of Tarantino

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から企画制作・執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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