『ウィッチ』鬼才監督ロバート・エガース、初の大作映画で新たな挑戦 ─ 撮影延期も準備継続中

『ウィッチ』(2015)『The Lighthouse(原題)』の鬼才、ロバート・エガース監督が次に手掛ける新作映画『The Northman(原題)』は、自身にとって初めての大作になるようだ。20世紀スタジオが配給を務める本作で、エガースはかつてない作り方にも挑戦しているという。Film Independentのインタビューにて本人が語っている。
『The Northman』は、ノルウェーの王子が亡き父親の復讐に乗り出す物語。10世紀のアイスランドが舞台となる本作の製作にあたって、エガース監督は「映画の世界を丸ごと作り上げようとしてます。村を構築したり、膨大な数の衣装と小道具を準備したり、あとは指示通りに動いてもらえるように馬の訓練なんかもしていますよ」と話している。かつて経験したことがないほどのスケールを前に、「自ら手を加えられなかったことや、把握しきれていない小道具などが沢山あるんですよ」と苦戦しながらも、これまでとは異なるアプローチにも取り組んでいるという。
「これまでは基本的に、動物やスタントが必要な場面や、視覚効果を用いるシーン、全部門のスタッフが結集しなければ成立しない場面などでしか絵コンテを作ってこなかったんです。だけど今回の映画は、船に乗ったり、大量のエキストラが登場したりという場面がほとんどなんですよ。なので、絵コンテにはかなりの時間を費やしています。」
本作は撮影開始を直後に控えながら、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受けて、撮影は無期限延期となった。とはいえ、エガース監督を含めた一部のスタッフはプリプロダクション(撮影準備)を現在も進めているという。
「登場人物の鎧を作っている者もいれば、特殊メイクを準備している者もいます。私は、撮影監督(ジャリン・ブラシュケ)とストーリーボード(絵コンテ)のアーティストと作業を続けています。ロケーション・マネージャーは、今でもしょっちゅう撮影場所をチェックしてますよ。まだ建設途中のセットもあるので。」
出演者には『スキャンダル』(2019)のニコール・キッドマン、『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(2017)のウィレム・デフォー、『ターザン:REBORN』(2016)のアレクサンダー・スカルスガルド、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』シリーズのペニーワイズ役で知られるビル・スカルスガルド、そして『ミスター・ガラス』(2019)のアニャ・テイラー=ジョイといった豪華俳優陣が集結した。
Sources: Film Independent, IndieWire