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3人に2人が「映画館よりストリーミング鑑賞を好む」米調査 ─ 映画館に行かない理由は「他の観客で気が散る」2割

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アメリカの成人の3人に2人が、映画鑑賞の際はストリーミング配信による自宅鑑賞を好んでいるということが、最新の調査でわかった。

調査報告を行ったリサーチ会社HarrisXのアリ・ブラディー氏は、「映画館に通う熱心なファンがまだ存在することは最近の映画興行収入成績を見れば明らかですが、我々の調査によると、3人に2人の映画鑑賞者が自宅でのストリーミング鑑賞を好むということです」とコメント。「このことは業界に激動をもたらしていますが、同時に、コンテンツへの需要は高まる一方であることも意味しています。消費者のほぼ半数が、毎週ストリーミングで映画を鑑賞していると回答しています。これは映画館での鑑賞頻度に対して7倍以上となります」。

コメントからわかるように、この調査結果は、映画そのものの求心力が低下したわけでなく、その鑑賞方式に変化が顕著に生じていることを示している。調査によると、週に2回以上映画をストリーミング鑑賞する人は30%であり、これは「映画館に行くのは年に数回」と回答した人と同率であるという。

この調査では、映画ファンが「映画館に行く理由」と、あまり映画館に行かない人が「行かない理由」についても明らかにされている。

映画館に行く理由

  • その映画が劇場のみで公開されるから:30%
  • 3DやIMAXなどの高度な鑑賞テクノロジーのため:30%
  • 観客と一緒に映画を観るという体験のため:26%
  • プレミアや特別上映を観るため:25%
  • ノスタルジー:24%

映画館に行かない理由

  • 他の観客がいて気が散る:19%
  • 出向くのが不便(移動時間や交通手段、駐車場など):15%
  • 上映作品の選択:13%
  • 映画館の場所が不便:13%
  • 上映時間が限られている、都合がつかない:11%
  • 座席指定:8%

この調査結果は、米IndieWireがHarrisXによるレポートを伝えたもの。調査期間は2024年3月11日〜12日、アメリカの成人1,000人以上からオンラインで収集した。

2023年の全世界興行収入を振り返れば、イベント化したような映画は高い興収を上げていることがわかる。『バービー』(同年1位)と『ザ・スーパーマリオ・ブラザーズ・ムービー』(2位)は共に13億ドル超えの特大ヒットとなっており、アメリカでは「バーベンハイマー」が社会現象化した『オッペンハイマー』(3位)も9億ドル超えの成功を収めた。その裏には、「(当時)劇場のみでしか鑑賞できない」「観客(=世間)と一緒に映画を観る」といった動機があることだろう。実際に『バービー』では、ほとんど映画館に足を運ばない「ライト層」が全体の2割強だったという米調査もある。

一方で、マーベルやDCなどのスーパーヒーロー映画やディズニー映画は、ほんの数年前までの快調に対して苦戦を強いられた。こちらはストリーミング鑑賞を待てば良いという考えが背景にあると考えれば、説明がつくことも多いだろう。

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Source:IndieWire

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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