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史上最低の下ネタ人形劇『The Happytime Murders』米国公開も低調スタート ― 製作費回収困難か

https://www.youtube.com/watch?v=-eks8LG72uo スクリーンショット

“史上最低の下ネタ人形劇映画”として話題を集めていた、映画『The Happytime Murders(原題)』が思わぬ苦境に立たされている。「セサミ・ストリート」のパペットを生んだジム・ヘンソン氏の息子にして、テレビ番組「マペット放送局」(1996-1998)を手がけたブライアン・ヘンソン監督がそのノウハウを悪ふざけへ全力投入した本作は、米国公開されるや興行的に厳しい幕開けとなっているのだ。

Box Office Mojoによれば、『The Happytime Murders』は2018年8月24~26日の3日間で1,002万ドル(推定)という興行収入を記録。アジア系俳優が結集した『クレイジー・リッチ!』が2度目の週末で2,500万ドルを稼ぎ出して話題を呼び、『MEG ザ・モンスター』が同じく2度目の週末で1,303万ドルを記録したことを鑑みると、これはいささか苦しい状況と言わざるを得ない状況だ。なお製作費は4,000万ドルとされており、すでに回収は厳しいものとみられる

なお本作で主演を務めたのは、『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(2011)やリブート版『ゴーストバスターズ』(2016)のメリッサ・マッカーシー。コメディエンヌとしてハリウッド屈指のヒットメーカーであるメリッサにとって、本作の幕開けは“史上最低”のオープニング記録となってしまった。

『The Happytime Murders』は、予告編にも“やりすぎ”の下ネタや人形相手の暴力描写を存分に盛り込み、「ノー・セサミ、オール・ストリート(No Sesame, All Street)」という挑発的すぎるキャッチコピーで本家「セサミストリート」から訴えられたことも大きな話題となった。裁判にあっさり勝利したことも含めて宣伝効果は抜群だったはずだが、なぜこんなことに……。

物語の舞台は人間とパペットが共存するロサンゼルスの裏社会。そこでは人形たちがギャンブルに興じ、売春を行い、クスリに手を出し、暴力をふるいふるわれていた。ある時、かつて人々に愛された人形劇番組の出演者(人形)が殺害される事件が発生。女性探偵(人間)コニー・エドワーズと、その“元パートナー”である元刑事の私立探偵(人形)フィル・フィリップスがタッグを組んで捜査に乗り出す。

出演者は主演のメリッサ・マッカーシーのほか、『テッド』(2012)のジョエル・マクヘイル、『ハンガー・ゲーム』シリーズや『パワーレンジャー』(2017)のエリザベス・バンクスら。パペットの操演は、ブライアン監督率いる「ジム・ヘンソン・カンパニー」が担当した。ちなみに米Rotten Tomatoesでは批評家スコア23%、観客スコア52%を記録している。

映画『The Happytime Murders(原題)』は2018年8月24日より米国公開中。それでも観たいんだ…!

Sources: Box Office Mojo, Variety, Rotten Tomatoes
Eyecatch Image: YouTube スクリーンショット

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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