『セサミ・ストリート』、下ネタ映画『The Happytime Murders』に敗訴 ─ 映画側のふざけた声明発表も話題に

『セサミ・ストリート』風のパペットが、セックス・ドラッグ・暴力なんでもありの史上最低の人形劇を繰り広げるサスペンス映画『The Happytime Murders』が、『セサミ・ストリート』の権利を侵害しているとして訴訟に発展していた問題について、『セサミ・ストリート』側が敗れた。The Hollywood Reporterが伝えた。
主な争点となっていたのは、映画『The Happytime Murders』が掲げる「ノー・セサミ、オール・ストリート(No Sesame, All Street)」のキャッチコピー。『セサミ・ストリート』を通じて児童学習を育むNPO団体Sesame Workshopはこの宣伝について「歴史上最も愛される子供向け番組を皮肉り、不正に関連付けることで、大衆を混乱させるべきではない。自分たちの手柄だけで成功・失敗を決めるべきである」と訴え、同キャッチコピーおよび『セサミ・ストリート』を想起させる一切の宣伝表現の棄却を求めていた。
これに対し同作製作のSTXプロダクションは、「(映画の)面白さを『セサミ・ストリート』側にご理解いただけず、失望している。我々の法的立場には自信がある」と強気の声明文を発表していた。その際、プロダクション側の弁護士として“フレッドさん”という名の人物の写真を発表。この人物の写真が、絶妙な表情をしたパペットだったことから、「完全にふざけている」と話題をさらっていた。

Photo:STX ENTERTAINMENT
合衆国地方裁判所は現地時間2018年5月30日、同作および同キャッチコピーによって大衆が二作を混同するとは認められないこと、およびスポンサーや児童の保護者からのクレームも認められないことから、原告Sesame Workshopの訴えを退けた。
『The Happytime Murders』は、「セサミ・ストリート」パペット生みの親、ジム・ヘンソンの実息子ブライアン・ヘンソンが手がけるコメディ・サスペンス映画。公開された予告編映像では、『セサミ・ストリート』風のパペットたちがセックスや売春、ドラッグを楽しむ様子が話題となっていた。この度の勝訴を受け、映画は胸を張って「ノー・セサミ、オール・ストリート」のキャッチコピーで映画を売り込むことができる。
『The Happytime Murders(原題)』は2018年8月17日全米公開。
Source:THR