『マイティ・ソー バトルロイヤル』に性的マイノリティのキャラクターが登場 ― マーベル・シネマティック・ユニバース映画で初めての設定

映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』に、セクシャル・マイノリティのキャラクターが登場していることがわかった。マーベル・スタジオが指揮するマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の映画作品でこうした設定が採用されるのは初めて。かねてよりMCUは、男女間でのロマンスが前提になっている、男女間の関係しか描かれていないという批判を受けることもあった。
この記事には、映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』のネタバレと捉えうる内容が含まれています。
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MCU映画作品で初の設定
セクシャル・マイノリティという設定が明らかになったのは、『マイティ・ソー バトルロイヤル』でテッサ・トンプソンが演じている新キャラクター、ヴァルキリーだ。コミックでバイセクシャルとして描かれているゆえに、その設定が映画版にも引き継がれるのかどうか、海外のコミックファンの間では話題を呼んでいたのである。
このたび、本件についてファンがTwitterで繰り広げていたやり取りにトンプソンが反応したことで映画版の設定が判明した。
She’s bi. And yes, she cares very little about what men think of her. What a joy to play! https://t.co/d0LZKTHCfL
— Tessa Thompson (@TessaThompson_x) 2017年10月21日
「彼女はバイセクシャルです。男たちが彼女についてどう思っているのか、ほとんど気にしてないんですよ。演じるのはすごく楽しかった!」
すなわち『マイティ・ソー バトルロイヤル』では、ヴァルキリーに対してコミックに忠実な設定が与えられたというわけだ。ただしトンプソンはこれだけしか記していないため、本編にヴァルキリーがバイセクシャルだとわかるシーンがあるかどうかは不明である。
これまでMCUの映画作品で、LGBTをはじめとしたセクシャル・マイノリティの存在が描かれることはなかった。ドラマ『エージェント・オブ・シールド』(2013-)や『ジェシカ・ジョーンズ』(2015-)にはそうした設定のキャラクターがいたものの、映画ではヴァルキリーが初めての例となる。
なお『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの脚本・監督を務めているジェームズ・ガンは、2017年4月、米Digital Spyからセクシャル・マイノリティの不在についての質問を受けた際にこう答えていた。
「世界にはゲイの人々、バイセクシャルの人々がたくさんいます。MCUにはたくさんのキャラクターがいますが、そのセクシュアリティはほとんどわかっていません。ガモーラと(ピーター・)クイルはお互いに興味を持っていますが、ガーディアンズに存在するセクシャルな関係はそれだけです。ドラックスには妻がいましたし、女性に興味があったことはわかりますけどね。」
またガン監督は、英The Guardian誌のインタビューで「(MCUにも)ゲイのキャラクターはいると思いますよ。誰がそうなのかはまだわからないだけで」とも話している。このたび『マイティ・ソー バトルロイヤル』でそうした設定のキャラクターが登場したこと、出演者がそうした設定をはっきり明かしたことはMCUにとって大きな出来事だといって差し支えないだろう。
映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』は2017年11月3日より全国ロードショー。
Sources: http://screenrant.com/thor-ragnarok-valkyrie-lgbt-character/
http://comicbook.com/marvel/2017/10/23/valkyrie-bisexual-thor-ragnarok-mcu-tessa-thompson/
http://www.digitalspy.com/movies/guardians-of-the-galaxy/news/a826727/guardians-of-the-galaxy-vol-two-gay-hero-exclusive/
https://www.theguardian.com/film/video/2017/may/01/gay-characters-marvel-guardians-of-the-galaxy-vol-2-chris-pratt-karen-gillan
©Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータ イメージ