『サンダーボルツ*』世界2位高層ビルから飛び降りたいフローレンス・ピュー「やるしかない」 VS 止めさせたいマーベル・スタジオ「飛ばせるわけにはいかない」

マーベル・シネマティック・ユニバース最新作『サンダーボルツ*』の「やるしかない!」精神は、出演者にもアツく宿っていたらしい。エレーナ役のフローレンス・ピューは、世界で2番目に高いビルから飛び降りるという恐ろしく危険なスタントを、自ら「やるしかない!」と望んで挑んでいたという。
実際のシーン映像がこちら。「私の中で、何かがおかしい。虚しい。姉が死んだせいだと思っていたけれど、もっと大きな問題みたい。空っぽ(Void)な気分」と虚ろな表情のエレーナが、そのままフラっと高層ビルから飛び降りる。実はこのビル、約678メートルとして世界2位の高さを誇る、マレーシアはクアラルンプールに実在するビル「Merdeka 118」だ。東京スカイツリーの634メートルよりさらに高い。
「ただ退屈なだけかも……」エレーナはなんでもないかのように飛び降りると、パラシュートを開いてビル中腹階に着地。パラシュートを発見した警備員を背後から襲うアクションを見せる。
トム・クルーズもビックリの飛び降りシーン、元々フローレンス・ピュー本人が飛ぶ予定では無かったものの、本人の熱望によって実現していたようだ。米Fandangoのインタビューでピューは振り返っている。「脚本に書かれていたんですが、撮影日が近づいてくると、“多分実際にはやらないと思う”という雰囲気になっていきました。保険がかなり厳しいから、フローレンス・ピューを世界で2番目に高いビルから飛ばせるわけにはいかない、って」。
しかしピューは、「何言ってんの?やるんだから。やるしかない!」と燃えた。「生意気にもケヴィン(・ファイギ)にメールしちゃったんです。“ケヴィン、宣伝で盛り上がるはずだから、やるしかない!”って」。
ピューが直談判を続けると、最終的にスタジオが折れた。「わかりました。そんなに世界2番目に高いビルから飛び降りたいのなら、なんとかします」。
結果として、多くの助力と万全の安全体制のもとで撮影が実現。元々ピューは高いところから飛び降りるのが得意だといい、「高さは気にならなかったし、楽しかった」とあっけらかん。とはいえ、恐怖こそなかったものの678メートルの高さは「異次元の狂気」だったという。「あの日の私のメンタルコントロール自体がスーパーパワーのようでした」。
狂気の撮影の様子は下の動画で見ることができる。
実際の撮影では9回ほど飛んだそう。あまりの高所に拒絶反応を示す身体と、飛ぼうとする脳を自らコントロールした。飛んだ後は“禅”のような境地に至り、妙に落ち着いていたというが、帰宅後は脳がシャットダウンするように3時間泥のように眠ったと、ピューは振り返っている。

フローレンス・ピューも「やるしかない!」精神で撮影に挑んだ『サンダーボルツ*』は2025年5月2日、日米同時公開。観るしかない!
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Source:Fandango