【ネタバレ解説】『サンダーボルツ*』ラストシーン&おまけシーン ─ アベンジャーズ新章に繋がる超重要展開の意味とは

この記事には、『サンダーボルツ*』の重大なネタバレが含まれています。

『サンダーボルツ*』ラストシーン解説
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『サンダーボルツ*』で脅威となるのは、「セントリー計画」を生き延びたボブの心に潜む影の人格、ヴォイドだった。ニューヨークの全てが闇に呑み込まれる中、エレーナはボブの心の迷宮に飛び込み、彼に寄り添う。
ボブは暴力支配的な父親に植え付けられた過去のトラウマに苦しんでいた。そこにバッキー、アレクセイ、ジョン・ウォーカー、ゴーストも駆けつけると、一同はボブが人体実験を受けたOXE社ラボを再現したトラウマ記憶へと立ち入っていく。
闇の人格ヴォイドと対峙したボブは、影の自分に馬乗りになって泣きながら殴り続けるが、ヴォイドはただただ不気味に笑うだけで倒すことができない。なおも自分を殴り続けるボブの元に、まずエレーナが後ろから抱きしめ、続いてサンダーボルツの全員がボブを支える。「私がいる。あなたは1人じゃない」……。
不安を共に吐き出す仲間を得ることができたボブはトラウマから抜け出し、目覚めるとニューヨークから影が消えていた。ボブに触れた者は辛いトラウマ記憶を呼び起こされていたが、もうエレーナが彼に触れても平気のようだ。
元通りになった街で、サンダーボルツは「セントリー計画」の主導者であるヴァレンティーナの姿を見つける。詰め寄ろうとすると、彼女は横断幕の裏側へ逃げ込む。そこにはマスコミが詰めかけており、即席の記者会見会場が出来上がっていた。サンダーボルツの一同も横断幕をくぐると、なんとヴァルは彼らを「ニュー・アベンジャーズ」と紹介し、事態を丸め込んでしまう。

エンドロールでは、実在するメディアの記事見出しを則る形で、ニュー・アベンジャーズに対する世間の困惑や不満の声が紹介される。どうやらマーベル世界の人々は、彼らを新たなアベンジャーズとしてまだ認めたくないらしい。
観客をあっと驚かせたのは、エンドロールが進んで『Thunderbolts*』のロゴが登場した後、『The New Avengers』と差し替えられるギミックだ。アベンジャーズ新章を大々的に打ち出した、MCUという巨大シリーズならではのワクワクさせる演出となった。
タイトルに意味深に付与されていたアスタリスクの意味が判明する。このアスタリスクは本作のタイトル発表時から“何か意味があるらしいが、観てからのお楽しみ”とされていた。マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長も「映画が公開されるまでは、これ以上のことはお伝えしません」ともったいぶっていたのだ。
ようやく観客がアスタリスクの意味することを知ることになる。「すごく楽しみですよ!」と、本作監督のジェイク・シュライアーは筆者の取材にコメントしてくれた。どうやらこの遊び心は、シュライアーの発案によるものだったようだ。「僕が最終プレゼンで、アスタリスクをつけて、何かすごいものに繋がったら面白いと提案したんです。だから、ついにみなさんに意味を知ってもらえるのが楽しみです」。
次のページより、いよいよ衝撃のおまけシーンについて解説を進める。