テリー・ギリアムのカルト的傑作『バンデットQ』Appleがドラマ化企画を進行中

『未来世紀ブラジル』(1985)や『12モンキーズ』(1996)、『Dr.パルナサスの鏡』(2009)などで熱狂的な人気を誇る、映画監督テリー・ギリアムのカルト的傑作『バンデットQ』(1981)のドラマ化企画が進行しているという。米Deadlineが報じている。
『バンデットQ』は、11歳の少年ケビンが、突如現れた6人の小人たちとともに、創造主から盗んできたという“タイムホールが記された地図”を頼りにさまざまな時空間を旅するSFファンタジー。アガメムノンやナポレオン・ポナパルト、ロビン・フッドといった虚実ないまぜのキャラクターが入り乱れるシュールな作風は子どもどころか大人をも圧倒し、今もなお愛されている作品である。
このたび『バンデットQ』のドラマ化企画を進行しているのは、今後ドラマ作品の制作に力を入れていくという米Apple。報道によればドラマ化権取得の契約は締結に向けて順調に進んでいるとのことで、製作にはパラマウント・テレビジョンのほか、制作会社であるアノニマス・コンテントとメディア・ライツ・キャピタルが参加する見込み。
なお生みの親であるテリー・ギリアムは製作総指揮として参加するが、脚本の執筆には携わらないという。新たなクリエイターを得て、『バンデットQ』はどのように甦るのだろうか?
現在、テリー・ギリアムは最新作の映画『ドン・キホーテを殺した男(邦題未定、原題:The Man Who Killed Don Quixote)』の世界配給を調整中とのこと。作品の権利を主張する元プロデューサーによる訴訟の結果、作品の権利は元プロデューサーにあるとの判決が下されたと報じられたが、こちらは具体的な事実が明らかになっていないため、今後の動向に注目が集まっている。
Appleは『バンデットQ』のドラマ化企画以外にも、『ラ・ラ・ランド』(2016)や『ファースト・マン』(2019年2月公開)のデイミアン・チャゼル監督による新作ドラマを進行中。オリジナル作品を製作・発表する企業としては比較的後発だが、映画ファン・ドラマファンに訴求するコンテンツを用意することで、業界にインパクトを与える準備は着々と進められている。いずれも続報を楽しみにしておこう。
Source: Deadline
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