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巨匠テリー・ギリアム、『マイティ・ソー バトルロイヤル』タイカ・ワイティティと異色タッグ ─ 傑作『バンデットQ』ドラマ版で

テリー・ギリアム タイカ・ワイティティ
[左]Photo by Vegafy https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Terry_Gilliam.jpg [右]Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/36201776766/

まさかのコラボレーションが実現する。

『未来世紀ブラジル』(1985)や『12モンキーズ』(1996)、『Dr.パルナサスの鏡』(2009)などで知られる、映画監督テリー・ギリアムによるカルト的傑作『バンデットQ』(1981)のドラマ化企画に、『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)のタイカ・ワイティティ監督が就任したことがわかった。米Deadlineが報じている。

映画『バンデットQ』は主人公である11歳の少年ケビンが、突如現れた6人の小人たちとともに、創造主から盗んできたという“タイムホールが記された地図”を頼りにあらゆる時空間を旅するSFファンタジー。アガメムノンやナポレオン・ポナパルト、ロビン・フッドといった虚実ないまぜのキャラクターが入り乱れるシュールな作風は子ども、大人を圧倒し、現在もなお愛されている作品だ。製作総指揮・音楽を元ビートルズのジョージ・ハリスンが手がけたことも話題を呼んだ。

このたび進行しているドラマ版を手がけているのは米Apple。同社はストリーミングサービスへの本格進出を見据えてオリジナル作品の製作に力を入れており、本作にはパラマウント・テレビジョンや制作会社アノニマス・コンテント、メディア・ライツ・キャピタルがパートナーとして携わっている。

報道によれば、ワイティティ監督はシリーズのパイロット版(第1話)で共同脚本と監督を担当。さらに、ギリアムとともにエグゼクティブ・プロデューサーも務める。ギリアム&ワイティティという組み合わせは一見予想不可能にも思えるが、ユニークな想像力はもちろんのこと、芯のある物語にユーモア&ナンセンスを散りばめる作風にはどこか共通点がある。ワイティティ監督は『マイティ・ソー バトルロイヤル』でCGを駆使したイメージの展開にも挑戦しただけに、『バンデットQ』への起用は適任といえそうだ。

多忙を極めるワイティティ監督は、新作映画『Jojo Rabbit(原題)』を2019年内に米国公開予定。『スター・ウォーズ』初のドラマシリーズ「ザ・マンダロリアン(邦題未定、原題:The Mandalorian)」でエピソード監督を担当したほか、自身の代表作『シェアハウス・オブ・ヴァンパイア』(2014)を米国でテレビドラマ化する「What We Do in the Shadows(原題)」では製作総指揮・監督を兼任。マーベル・スタジオでの新企画も水面下で動いているらしいことも伝えられている。なお、ギリアムは20年越しの悲願が叶った最新作『ドン・キホーテを殺した男(邦題未定、原題:The Man Who Killed Don Quixote)』の米国公開を2019年4月に予定している。

ドラマ版「バンデットQ(邦題未定、原題:Time Bandits)」の製作・配信時期は未定

Source: Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。