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映画製作、もはやカメラも不要か ─ 『search』の革新的プロデューサーが、いま考えている次世代の企画

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全編一人称視点で描かれる『ハードコア』(2015)や、全編PC画面で展開される『search/サーチ』(2018)の斬新な製作で知られる映画プロデューサー、ティムール・ベクマンベトフが、米ユニバーサルと5本以上の映画製作に関する契約を締結したようだ。米Deadlineが伝えた。

ティムールは上記の作品のほか、スマホ鑑賞向けの全編縦型映画を製作するなど、従来の映画フォーマットを覆す画期的な企画の数々で知られる。コロナ禍でリモートワークが世界的に広まったことで、ティムールは大いに刺激を受けたということだ。なんでも、もはやカメラすら必要ないといった考えを明らかにしている。

「別々の街にいても、実際に合わずにスクリーンで撮影ができる」。世間では「リモート会議」「リモート出演」、はては「リモート撮影会」なんて言葉も定着し始めているが、全編PC画面映画を製作したティムールにとって、こうした流れは「とても自然」なことだという。

「ロンドンにいる役者のスクリーンを、ロサンゼルスから録画することもできる。しかも、その彼はシドニーにいる別の役者とやりとりすることもできるんです。画面越しに。私はその会話を録画する。これも“撮影”です。そこにはストーリーがあるし、ドラマもあるし、ラブストーリーもある」と説明するティムールは、スクリーンそのものがキャラクターになると考える。

「たとえば、映画のオープニングシーンなんかで、男が何かをタイピングしている。“自殺の方法”とかをGoogle検索しているとします。それだけで、彼のキャラクター性が全てわかりますよね。だって私達はスクリーンに嘘はつけない。スクリーンもその人の一部だと思います。私のスクリーンを見れば、私が何を感じているか、何をしているか、何を夢見ているかが分かるでしょう。」

続けて、「もはやカメラは必要なのだろうか?スクリーンを録画すればいいじゃないか」とラディカルな提案を持ち出すティムール。撮影や演出、企画そのものの在り方がティムールによって変革を迎えそうだし、そこに至るまでの製作工程も大きく変わりそうだ。

「セットはバーチャルで組めばいい」「キャスティング・ディレクターが、(リモート面談を通じて)世界中から1日で役者を集めることも可能になる」「パートナーや共同ライターとの脚本執筆も、ぜんぶオンラインで済ませる」「エディターや視覚効果の製作会社も、別々の街から一緒に仕事ができる。同じ場所にいなくても良い」。あらゆるプロセスを次々と合理化させる構えだが、ティムールは「私達はスクリーンに生きている。スクリーンで自己表現をして、人との関係性を築いている」と言う。「もしも銀行強盗をはたらくなら、もう覆面と銃はいらない。コンピューターのコードを使って行うからです」。

こうした新時代のスタイルで米ユニバーサルと5本の作品を製作することになるティムールは、それぞれが「別のジャンルになる」と認めた。これまで、革新的なフォーマットでアクション、スリラー、ホラー作品などを繰り出し、いずれもヒットさせたことから、スタジオから「信頼してもらっている」とティムール。きっと世界中が驚くような斬新な作品を届けてくれるに違いない。

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Source:Deadline

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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