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『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』にランド・カルリジアンの影 ― 新キャラクター「DJ」に託されたもの

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』に登場する新キャラクター、DJ(ベニチオ・デル・トロ)は、フィン&ローズとともに潜入ミッションに臨むことになる。観客に鮮烈な印象を与えるこのキャラクターの背後には、ある登場人物の存在があったようだ。
ライアン・ジョンソン監督が、『スター・ウォーズ』ファンとしての自身の欲求と、本作のストーリーを紡ぐための選択の間で葛藤したことを明かしている。

注意

この記事には、映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のネタバレが含まれています。

https://www.youtube.com/watch?v=z9zxunCma0g

なぜランド・カルリジアンは登場しなかったか

2017年11月、ライアン監督は『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』にランド・カルリジアンが登場しないことを明かしていた。3部作の第2作として『エピソード5/帝国の逆襲』(1980)のプロットを踏まえた本作ゆえ、ランドの登場は“ありえた”はずだし、それは大勢のファンが期待したことでもあったはずなのだが、監督は「物語の中に、登場させる場所が本当になかった」と語ったのである。

しかし『スター・ウォーズ』ファンであるというライアン監督は、ランドを本作に登場させることを一時は考えていたそうだ。米The Playlistのインタビューにて、彼はその複雑な心境を明かしている。

「もちろんランドを見てみたかったですよ。少しだけ考えたんです、彼をベニチオの役柄(DJ)に置けないかって。」

劇中でDJは、フィン&ローズを手助けしながら、最後にはファースト・オーダーの側へと完全に寝返ってしまう。監督が考えたのは、この役割をランドに務めさせることはできないということだった。

「あんなふうにランドが登場人物を完全に裏切ったり、道徳的に曖昧な人間だったりすることは、きっと受け入れてもらえないと思ったんです。だってランドのことはみんな大好きだし、登場してほしいと思われてるわけですからね。
それに、DJというキャラクターは道徳的に曖昧でなければならなかったんです。誰も確信を持てない、推測するほかない人物ですね。ランドがみんなに愛されているキャラクターなのはわかっていますし、(DJの役割を担わせるのは)物語の面でもうまくいかなかったでしょうね。」

ライアン監督は「(脚本は)有機的に書かれなければなりません」と言い切る。「さもなければ不自然なものになってしまうんです。すべては物語の必然性で、好きなキャラクターを映画に登場させる余地なんて、ほんのわずかにしかないんですよ。

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は2017年12月15日より全国の映画館にて公開中。

Source: https://theplaylist.net/star-wars-lando-calrissian-absence-20171219/
©THE RIVER

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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