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【ネタバレ】「THE LAST OF US」第1話で語られる菌類の脅威は、科学的に正しいのか?

The Last of Us
Photograph by Shane Harvey/HBO

この記事には、「THE LAST OF US」第1話『闇の中にいる時こそ…』のネタバレが含まれています。

The Last of Us
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ドラマ「THE LAST OF US」第1話の冒頭で、疫学者のニューマン博士(ジョン・ハナー)は、ウイルスに勝る最大の脅威として「菌類」を挙げる。例として、ある種の菌類はアリに入り込み、脳で幻覚物質を放出して行動を意のままに操る、と説明。菌類は宿主を中から食い始めて増殖するが、宿主を生かし続けるために腐敗を妨げるという。別の博士から「人間にとっては脅威じゃない」と反論されると、「確かに寄生菌が生存できる宿主の体温は34度まで」としつつも、やがて地球の気温が上がり、菌類が進化すれば、人間に感染する可能性があると警告する。

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本作クリエイターのクレイグ・メイジンへのインタビューでは、同シーンについて「どこまで実際の科学に基づいているのか?」と質問が。するとメイジンは、幻覚キノコなどの菌類が人間に感染することは、理論的に可能であると説いている。

「彼(博士)が言っていた、菌類が行うこと全てが真実です。菌類は現在もそれを行っているし、ずっとそうしてきました。(菌類に関する)驚くべきドキュメンタリーもあって、観るとかなりの恐怖を感じます。

今彼が警告しているのは、もし菌類が進化して我々の中に入ってきたらどうなるか?ということです。純粋に科学的な観点から言えば、アリに対するのと全く同じことを我々にするのでしょうか?私はそう思いません。それはないでしょう。一方で、彼の言う通り、LSDや幻覚キノコは菌類から作られます。(ニューマン博士を演じる)ジョン(・ハナー)には、“このシーンでは、常にそれ(菌類)はここに存在していたいうことを人々に伝えているんだ ”と説明しました。」

またメイジンは同シーンを見て、ドラマ「チェルノブイリ」(2019)を手掛けた際に抱いた不安を思い出したという。本作で描くパンデミックをチェルノブイリ原発事故になぞらえ、次のように語っている。

「とてもゾッとしたのは、(チェルノブイリ原発は)その夜に爆発しましたが、その1週間前に爆発していたかもしれないし、1ヶ月前だったかもしれない、ということです。つまり、今まさに爆発を待っているものがあり、我々はそのことを知らないだけなのです。“このことは知っていたし、ずっと存在していた。今ついにそれが起こる夜をお見せしよう”と伝えるのは、とても気が引けることでした。突然ではなく、ついにです。」

疫学者が菌類の脅威を語るアバンタイトルは、ドラマ版のオリジナルだ。パンデミックは一夜にして起こるものではなく、常にその可能性が存在しているという考えとともに、本作で世界中に拡大する菌類の脅威を強く印象付けている。

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Source:Hollywood Reporter

Writer

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KyokoKyoko Okajima

アメリカ留学、大手動画配信サービスの社員を経て、ライターに転身。海外ドラマが大好きで、永遠のNo.1は『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』。

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