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スパイダーマン役トム・ホランド『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の撮影で、戦う相手を知らされずアクション・シーンに挑む

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品を主導するマーベル・スタジオの秘密主義は、おそらく業界でもトップクラスであろう。映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(原題:Avengers: Infinity War)』では、多くの出演者が脚本の全貌を知らないとみられるほか、スパイダーマン役のトム・ホランドによると、アクション・シーンで戦う相手が何者かすら知らされなかったという……。

スパイダーマン:ホームカミング
『スパイダーマン:ホームカミング』より ©Marvel Studios 2017. ©2017 CTMG. All Rights Reserved.

新作『スパイダーマン:ホームカミング』のため、BBCラジオのインタビューに登場したホランドは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でアクション・シーンを撮影した際のエピソードをこう語っている。

(戦う相手を)“想像してくれ”って言われるんだ。“僕が見てもいいような絵はないの?”って聞くと、“ないんだ、秘密なんだよ。君はこの人と戦うんだ”ってさ」

おそらく撮影現場では、ホランドの前にCG合成用のスーツを着た人物(俳優もしくはスタント・ダブル)が立っている、もしくは合成用の物体が用意されているのだろう。スパイダーマン役のホランドはその人物を相手にアクションを繰り出すわけだが、ホランドにはなんの情報も与えられておらず……。

「“どんな見た目なの?”、“言えないんだよ、言うと君が知ることになるだろ”、“オーケー、じゃあどんな音?”、“誰か分かっちゃうから言えないよ”ってね。だから僕は“わかった、テニスボールを相手にやってみるよ。どんな見た目なのか知らないけど”って感じさ」

『インフィニティ・ウォー』で、ホランドが戦う相手を知らない場面はひとつだけだったようだ。とはいえ200人(!)のスタッフに見つめられながら、スーツ姿で戦うフリをするのは相当恥ずかしかったという……。もちろんそんな中でも、スタッフ陣は“見えない敵と戦うホランド”に次々演出を付けていくのだとか。

「“いいね、トム! もっとエネルギッシュに! もっと! ジャンプだ! ジャンプして!”って。いつも“ジャンプして”って言われるよ」

『シビル・ウォー』空港シーンの思い出

もっともホランドにとって、アクション・シーンに人がいないことはさほど不思議なことではないようだ。なぜならスパイダーマンのMCU初登場作品となった『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)の空港シーンの撮影で、ホランドはクリス・エヴァンスとしか戦わなかったのだという。

「空港のシーンは僕とテニスボールしかいなかった。クリス・エヴァンス以外、誰にも会えなかったんだよ。彼と戦うシーンをやった以外は、みんなテニスボールが相手だったんだ。おかしかったよ、アベンジャーズ全員とはレッドカーペットで初めて会ったのさ」

たとえ戦う相手すらわからない場面であっても、ホランドはできる限りのアクション・シーンを自分自身で演じることを心がけているようだ。そのスタンスは『スパイダーマン:ホームカミング』でも一貫しており、同作では劇中ほとんどのシーンでホランド自らがスタントをこなしている

しかし、そんな“新人”トム・ホランドに対して、トニー・スターク/アイアンマン役のロバート・ダウニー・Jr.はこう声をかけたという。

「ロバートは“3作品やれば、スタント・ダブルに任せるようになるよ”って言ってた。“いや、いや、そんなことしない”って答えたよ」

ダンスなどの豊富な経験に裏打ちされた、ホランドの鋭いアクション・センスは2017年8月11日公開『スパイダーマン:ホームカミング』でじっくりと観られるはず。
なお、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は2018年5月4日より全米公開予定だ。

Sources: http://screenrant.com/avengers-infinity-war-tom-holland-villains/
https://moviepilot.com/p/tom-holland-filming-civil-war-infinity-war-tennis-balls/4312552
https://www.youtube.com/watch?v=nTCNt7cJi9Y
Eyecatch Image: https://www.amazon.co.jp/Spider-Man-Am-Avenger-Avengers-1963-1996-ebook/dp/B01C3J7RGU/

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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