『トップガン マーヴェリック』でマジの極秘基地をロケに使って「他国の人工衛星が動いてしまった」事態があった

トム・クルーズ主演、『トップガン マーヴェリック』は興行収入に関してはもちろんのこと、キャストやスタッフ、撮影にまつわる秘話などその逸話の多さでも2022年最大の話題作となった。中でも、とりわけ撮影に苦労したあるシーンについて、監督のジョセフ・コシンスキーが米Colliderのインタビューにて語っている。なんでも、とあるシーンの撮影では他所の国の人工衛星が動くほどの事態になったのだとか?
2022年12月からは米国にて再度IMAX上映が行われるなど、まだまだ『トップガン マーヴェリック』旋風は留まらない。知られざるエピソードがまだ多く眠っていると想定されるが、「撮影するにあたって、使用するのが大変だった航空機やロケーションはありましたか」とインタビュアーから問われたコシンスキーは、「それは間違いなくダークスターの格納庫ですね」と回答している。ダークスターとは、映画の冒頭でマーヴェリックがマッハ10を目指して乗り込んだ架空の最新機体だ。
ダークスター格納庫のロケハンのため、砂漠にあるチャイナレイク海軍航空兵器基地を訪れた際に、有刺鉄線に囲まれた青い扉の「面白そうな」格納庫を見つけたコシンスキー。「あれは何ですか?」と尋ねると、「ああ、あれはナシで。あそこで撮影は絶対にできません。写真も撮らないでくださいね。見るのもやめておいてください」とスタッフからきっぱりと制されたという。食い下がったコシンスキーは「じゃぁ撮影しないから、車で近づいてもいいですか?」と交渉の後、立ち寄ることに成功した。
どうやらそれは、秘密基地内にあるマジで極秘の格納庫だったそう。「秘密の飛行機を夜に引き出すシーンがあるから、こりゃうってつけのスポットになりそうだ」とコシンスキーはひらめき、「あーすごいなー、あそこで撮影ができたら最高なのになー、残念だなー」とアピール。すると数日後に電話がかかってきて、なんと「あそこを使いたいなら、数日で中の物を移動させるから良いですよ」と撮影の許可が降りてしまった。
「極秘の格納庫で撮影できることになったので、ダークスターを本当に作り、そこに収めることになりました」とコシンスキー。マジモンの極秘施設をロケ地に使用したため、いざ撮影で格納庫から機体を引き出そうとすると、米海軍がおかしな動きをしているということで「他国が所有している人工衛星が写真を撮影するために動いてしまった」のだそう。国家間の軍事情報戦に関わる出来事かと思いきや、コシンスキーは「いやーすごいですよね、ズームアップしてコックピットのトム・クルーズが写っていたら、めっちゃカッコいいですよね」と何だか楽しそうである。
バラク・オバマ米元アメリカ大統領による年末恒例企画、“今年の映画”の一本にも選出された『トップガン マーヴェリック』。最高のロケーションを実現するために粘り続けたコシンスキーの並々ならぬ努力からも、やはり2022年を代表する1本であることは間違いなさそうだ。
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Source:Collider
Text:Yuka Shingai,中谷直登