『トップガン マーヴェリック』よくばりセット ─ おもしろ裏話コンプリートまとめ

マーヴェリックは冒頭で死んでいる説を監督が否定
マーヴェリックは実は冒頭のダークスター・マッハ10飛行シーンで死亡しており、映画の残りは全て死んだマーヴェリックが見た夢なのではないか……。都市伝説的に語られるこの説について、コシンスキー監督はキッパリ否定。当初の脚本では、マーヴェリックが地球にフリーフォールで降下してくる描写があったといい、「そのことが説を否定している」と断言。もっとも、「複数の解釈があるのがいいですね」と、説が語られていること自体は喜ばしく思っているようだ。
「ネタバレしたら撃つ」と同僚に銃を向ける事案が発生
オーストラリアのシドニーに勤務するドミニク・ゲイナー警官は、楽しみにしていた『トップガン マーヴェリック』について、「昨晩観たからネタバレしてやろうか」と後輩にからかわれた。ネタバレするなら「撃つぞ」と冗談で銃を向けたところ、ショックを与えてしまい後輩は鬱病に。ゲイナー警官は2年間の社会内処遇と100時間の社会奉仕活動が課された。
エンディングにはフェニックスもいた
エンディングシーンでは、ガレージで一人過ごしていたマーヴェリックのもとに、ルースター、ペニー、ペニーの娘アメリアが現れるという展開になる。ここには女性パイロットのフェニックスも居合わせており、撮影も行われていたという。フェニックスは飛行機のプラモデルを眺めながら、アメリアに語りかけているという登場だったそうだ。また、マーヴェリックの同僚ホンドー(バシール・サラディン)の登場案もあったという。
F1世界王者ルイス・ハミルトンが出演を辞退して後悔
天才F1レーサーのルイス・ハミルトンはトム・クルーズと交友があり、パイロット役で出演オファーを受けていた。しかし当時はF1タイトルを争うレース真っ只中にいたため、スケジュール都合で辞退。本編を鑑賞すると、「あれは僕だったかもしれない!」と悔しい思いをしたという。ハミルトンはもともと1作目の大ファンで、裏蓋に『トップガン』のロゴが入った私物の腕時計をトムに見せて「もし続編をやるなら用務員役でもいいから出演させてほしい」と懇願していたのだとか。
メンバーは今でもグルチャで仲良し

『トップガン マーヴェリック』の若手キャストたちは厳しい撮影を共にした絆で今も結ばれている。メンバーはグループチャットで繋がっており、くだらないやり取りも行なっているようだ。多忙なトム・クルーズには気を使って、グルチャに招待していないという。
ボブ役がまたボブ役を演じる

トップガン・パイロットのボブ役を演じたルイス・プルマンは、マーベル映画『サンダーボルツ*』でもまたボブという役名を演じる。プルマンは『トップガン マーヴェリック』出演後、ボブという名の人たちに「ボブ・レガシーを強化してくれてありがとな」と感謝されるようになったそう。『サンダーボルツ*』のボブは『トップガン マーヴェリック』のボブとは全く異なるキャラクターだといい、「ボブのデュオ、ボブの二乗」とよくわからないことを言っている。
キツすぎる空撮に全員ゲロを吐いたが一人だけ耐えたキャストがいる

撮影では、メインキャストたちが過酷な訓練に耐え、実際に戦闘機・F-18に乗り込み、IMAXカメラをコックピットに6台搭載して撮影を行うという前代未聞の試みがなされた。身体に激しい負担がかかるため、若手パイロット役たちは全員嘔吐を経験したというが、唯一“フェニックス”役のモニカ・バルバロだけは吐かなかったという。「モニカだけは例外で、彼女だけがほかの俳優よりも、Gを上手く対処することが出来たんです」とブラッカイマー。
G(重力負荷)を受けると汗がジュワジュワ溢れ出す
筆者は米サンディエゴにて、『トップガン マーヴェリック』キャストが行なっていたものと同じ飛行訓練に参加した。約20分の飛行で最大6Gまでを受けたが、あまりの過酷さに着陸後にダウン。1G=自分の体重と等しい負荷となるため、6Gは体重の6倍の負荷を全身に受けるということ。水を含んだスポンジを握った時にように、全身から汗がジュワっと吹き出し、非常に不快感があった。加えて、車酔いや船酔いとは比較にならない乗り物酔いの感覚に襲われ、嘔吐寸前、視界もブラックアウト状態となった。マーヴェリックは劇中で10Gに耐えていたが、これは常人では到底考えられないことである。
リドリー・スコットが監督オファーを断っていた
1作目を監督したトニー・スコットの兄であるリドリー・スコットには監督のオファーが届いていたが、これを断っている。「弟を追いかけることはしたくない」というのがその理由だ。なおリドリーは『トップガン マーヴェリック』について好意的な感想を述べることもあれば、「弟の作品がオリジナルだから」と複雑な想いを語ることもある。
アイスマン役ヴァル・キルマー再会シーンでは笑いと涙
マーヴェリックにとって、前作『トップガン』時代からのライバルであり良き理解者であるアイスマン。演じるヴァル・キルマーの再演については、トム・クルーズが絶対的にこだわったポイントだったという。「とにかくトムは、“もし僕たちが『トップガン』をもう一度作るなら、そこにはヴァルがいないとダメだ”っていう感じで、断固として希望していました」と、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーは語っている。
キルマーは2015年に喉頭がんと診断され、手術のために声を失っている。本作では最先端AI技術により声をデジタル再生した。この感動の再会シーンの撮影はトムとキルマーにとって楽しいものになり、「爆笑しすぎて何度もテイクをダメにしてしまったんです。本当に楽しくて特別でした」と振り返っている。一方のトムは、感動の再会に思わず泣いてしまったことを認めている。
ジョセフ・コシンスキー監督は「僕にとって忘れられない思い出のひとつとなりました」と述懐。「この日の撮影はとにかく感動的だったんです。夏の大作映画で、これほどまでにエモーショナルなシーンを撮ることは、そうそうあることではありませんよ」。
なおキルマーは本作の公開後、劇中での再会シーンと共に「36年……、今でも僕は君のウィングマンだ」とSNSに投稿している。
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『トップガン マーヴェリック』続編が製作される

さらなる続編への期待は映画公開前から語られていたが、2024年1月にはパラマウント・ピクチャーズによる製作意向が明らかに。マーヴェリック役のトム・クルーズ、ルースター役マイルズ・テラーとハングマン役のグレン・パウエルの続投が見込まれている。ただし企画はまだごく初期段階になり、いつ始動できるかは不明。クルーズは待機作をいくつか抱えており、実現はまだ少し先になると思われる。「また36年かかるかもしれない」とコシンスキー監督。
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