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『トップガン マーヴェリック』監督、企画頓挫の『トロン』第3作の真相を語る ─ 「もう少しだった」

トロン:レガシー
© Walt Disney Pictures 写真:ゼータ イメージ

映画『トップガン マーヴェリック』を大ヒットさせているジョセフ・コシンスキー監督が、お蔵入りとなった自身の作品に言及しながら、大企業下で行われる映画製作の実情に切り込んだ。

ジョセフ・コシンスキー監督といえば、1982年公開のSF映画『トロン』28年ぶりの続編『トロン:レガシー』を手がけた人物。初監督作にして米ディズニーの大作を任されたコシンスキー監督は、その後『Tron: Ascension』というタイトルの第3作にも着手していた。しかし2015年、主演にジャレッド・レトを要求したスタジオ側と、前作キャストの続投を見据えていたコシンスキー監督の間で生じた創作上の相違により、企画の頓挫が発表されたのだ。

当時から7年、コシンスキー監督は米Vultureで『トロン』を巡る一件について回顧。頓挫してしまったことに対し、どうやらコシンスキー監督は創作上の相違のみが要因ではないと考えているようだ。

「2015年までは、違うディズニーでした。『トロン:レガシー』を作った時、彼らはマーベルやスター・ウォーズを所有していませんでした。ファンタジーやSFは、私たちの役割だった。でも他のこうしたものを傘下にしてしまうと、なるほど、お金をつぎ込むのはすでに知られている財産で、爪を黒塗りした風変わりな画学生は端に追いやられてしまうんだって。それが『トロン』でした。

2006年のピクサー・アニメーション・スタジオ完全子会社化以降、ハリウッドの映画スタジオの買収を積極的に進めたディズニーは、2009年にマーベル・エンターテインメント、2012年に『スター・ウォーズ』『インディ・ジョーンズ』などを擁するルーカスフィルム、2019年に「20世紀フォックス映画」として知られた20世紀スタジオを傘下に収めた。独自のストリーミングサービス「Disney+」の主要ブランドを見ると一目瞭然なように、買収されたいずれのスタジオもディズニー映画の看板フランチャイズの製作を現在任されている。

こうして、コシンスキー監督が進めていた『トロン』シリーズは、本人の言葉を借りると「端に追いやられてしまった」わけだが、監督は「ほんとうにもう少しだったんです。一生懸命やったんですけどね」と名残惜しさを吐露している。一方、「それは良いんですけど」とも続け、すでに踏ん切りをつけている模様。むしろ『トップガン マーヴェリック』に至る現在のキャリアに感謝しているようで、「もし僕が『トロン:アセンション』を作っていたら、『オンリー・ザ・ブレイブ』を作っていなかっただろうし、そのほかの映画も作れていなかったと思います」と語っている。

なお、現在『トロン』シリーズからはコシンスキー監督が関与していない第3作が進行中。脚本には『エラゴン 遺志を継ぐ者』(2006)のジェシー・ウィグトウ、監督には『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』(2016)のガース・デイヴィスが就任している。主演・製作のジャレッド・レトは、2022年3月に「遅かれ早かれ何かが発表されるかもしれません」と話していたが、今のところ続報は届いていない。

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Source: THR,Vulture,

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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