Menu
(0)

Search

「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」、まだサウロンが登場していない理由とは?ショーランナーが語る

ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪
(c)Amazon Studios

J・R・R・トールキン著『指輪物語』に基づくドラマ「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」の開始以来、原作や映画版のファンたちは様々な説を唱えている。中でも大きな関心を集めているのが、強大な悪・サウロンの正体だ。こうしたファンの反応やサウロン未登場の理由について、ショーランナーのパトリック・マッケイとJ・D・ペインが米Hollywood Reporterに語っている。

ピーター・ジャクソン監督による映画『ロード・オブ・ザ・リング』3部作において、冥王サウロンは肉体のない、巨大な炎の目のような姿で描かれていた。しかし元来は自在に変身する能力を持ち、麗しい立派な外見を装うこともできたとされている。

Amazonでドラマ「力の指輪」が開始されると、SNS上ではファンたちがサウロンの正体をめぐって大盛り上がり。南方国の王・ハルブランド(チャーリー・ヴィッカーズ)、空から降ってきた謎の男・よそびと(ダニエル・ウェイマン)、オークの指導者・アダル(ジョゼフ・マウル)などのキャラクターが、その有力候補として挙がっていた(アダル=サウロン説については、劇中のセリフで否定されている)。

こうしてファンが特定のキャラクターをサウロンだと疑うことは、まさに制作チームが求めた反応であった。ペインによると、キャラクターに不信感を抱く感覚を視聴者に与えることで、より作品に入り込めるのだという。

「これもトールキン作品の手法です。番組で起きていることの一部でもありますが、影が広がると、すべての人間関係に影響を及ぼすのです。フロドとサムでさえもそうでした。中つ国で1番の親友同士である彼らが互いに不信感を抱き始めたのは、その影が現れたからです。だから、視聴者があの人やこの人がサウロンかもしれないと疑うことは、影が私たち全員に打ち勝ち、互いに疑心暗鬼にさせているということなんです。」

しかしながら、最初からサウロンを登場させたいという思いはあったようだ。その誘惑に耐えた理由について、マッケイは以下のように語っている。

「最初のシーズンをものすごい悪役中心的な‟サウロン・ショー”にするのは、すごく魅力的です。しかし我々は、悪がすぐに脅威を与えるのではなく、視聴者が感情移入している世界から、悪とその複雑性が現れるようにしたかったのです。中つ国をもう一度好きになってほしいし、今までと違うやり方を試す前に、それぞれのキャラクターが抱えている苦悩を理解し共感してもらいたいと思いました。」

多くのファンはサウロンの登場を待ち構えつつ、特定のキャラクターを「実はサウロンなんじゃ…?」と予想する過程も楽しんでいるようだ。マッケイが意図したように、時間を費やすほど、いざ登場した時のインパクトは大きいに違いない。

「ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪」シーズン1はAmazon Prime Videoにて独占配信中。

Source:Hollywood Reporter

Writer

アバター画像
KyokoKyoko Okajima

アメリカ留学、大手動画配信サービスの社員を経て、ライターに転身。海外ドラマが大好きで、永遠のNo.1は『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly