【ネタバレ】『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』チューバッカの咆哮シーン、撮影の舞台裏 ─ 「全員が緊張した」名場面を振り返る

この記事には、映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のネタバレが含まれています。すでに作品を鑑賞された方向けの内容となりますのでご注意下さい。なお、このページをSNSにてシェア頂く際は、記事内容に触れないようお願い致します。

残されたチューバッカ
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』では、オリジナル3部作のメインキャラクターの最後の一人、レイア・オーガナに、ある大きな役割が与えられる。『フォースの覚醒』(2016)で夫ハン・ソロを、『最後のジェダイ』(2017)で兄ルーク・スカイウォーカーを失ったレイアは、いまやレジスタンスの象徴的存在たるレイアは、息子のベン・ソロ/カイロ・レンにフォースの力で呼びかけるのだ。これにてレイの窮地を救い、ベン・ソロをライトサイドに引き戻したレイアは、そのまま命を燃やし尽くす。その死を知ったチューバッカは、ルーク、レイア、ハン・ソロの3人に先立たれたことを嘆くかのように咆哮するのだ。
チューバッカ役のヨーナス・スオタモは、レイアを送り出すシーンの撮影について、「全員が緊張していましたよ」と振り返っている。「僕たちの生きている現実を扱うのは苦しかった。キャリー(・フィッシャー)が亡くなった今、彼女の演じたキャラクターが逝くシーンを撮るわけですからね。思いがこみ上げてくる一日でしたし、(撮影の様子を)見ていても感情があふれてきました」。
レイアを葬送するシーンはごく短い場面だったが、なかでもチューイの悲しみ方は、『スター・ウォーズ』を愛する多くのファンの心に刺さった。全編を通じて、このシーンを「最も心に残った」と挙げる人も決して少なくはないほどである。咆哮し、全身で悲しむさまは、シーン全体にも大きなインパクトを与えた。ところが撮影当時、ヨーナスは撮影のために顎を酷使し、チューバッカの口を開くのが難しい状況だったそうだ。
「マスクの下で、僕はすっかり参っていましたね。だって、あそこがすごく大切な場面であることは分かっていましたし、完璧に演じたかったから。だけど、もしかすると、だからこそ正しい心持で演じられたのかもしれません。」
すなわち、当時のヨーナスにかかっていた身体的負荷が、チューバッカの感じていた悔しさや悲しさを表現する上では、偶然にもプラスに作用したということだろう。その一方で、ヨーナスは一連のシーンを「映画自体もそうですが、特にあの5分間は美しいですよね」と語りながら、撮影時のつらい心境を、このように述べてもいる。
「『フォースの覚醒』(2015)でハン・ソロが死んだ時は、それでも一日の終わりにハリソン・フォードと握手することができました。だけど、レイアの場合は…それよりもはるかにつらかったですね。」
映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は2019年12月20日(金)より公開中。
Source: The Hollywood Reporter